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「子子子子子子子子子子子子」。何と読むか分かりますか?
平安時代の嵯峨天皇が、官僚の小野篁(おののたかむら)に出したとされるクイズです。説話集「宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)」のエピソードを紹介します。
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平安時代のこと、内裏に「無悪善」と書いた立て札が立てられた。嵯峨天皇は、学者の小野篁に読み方を聞いたところ、小野は「悪(さが)無くて善からん(嵯峨天皇がいなければよいのに)」と読み、嵯峨天皇を呪うメッセージと解読した。
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嵯峨天皇は「この立て札を解読できたのは、お前が書いたからではないか?」と激怒。「自分は何でも読めるのです」と小野は弁明した。そこで嵯峨天皇は「子子子子子子子子子子子子」と子の文字を12個書いたものを「読め」と言った。
小野は「ねこのここねこ、ししのここじし」と読んだ。嵯峨天皇はにっこりと微笑み、怒りが解けた。
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子の読み方には、十二支の「子年(ねどし)」の「ね」という読み。それに訓読みの「子供」の「こ」。音読みの「し」。さらに、「し」の変化系で「じ」と読まれていました。これを上手く組み合わせて「ねこのここねこ、ししのここじし」と読んだのでした。
真実かどうかは不明ですが、詩歌や儒学に優れた小野篁の才気煥発な様子が伝わるエピソードです。
ちなみに平安時代の「今昔物語集」では、小野篁が「昼は朝廷で官吏を、夜は冥府で閻魔大王の裁判を補佐していた」なんていう話も書かれているそうです。
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