
ウェザーニュース
寒暖差が大きくなる今の時季、野菜の生育にも変化がみられるようになります。
特にほうれん草は気温の下がり方に敏感で、秋の冷え込みがその味を左右すると言われています。
これからぐっと美味しさを増すほうれん草の選び方を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
美味しさだけでなく栄養価も増す
秋の冷え込みが増してくると、ほうれん草は甘く、味が濃く感じられるようになります。
「これは低温にさらされると自身が凍結しないように、糖分を蓄え、水分濃度を下げるためです。
根元が赤いのがほうれん草の特徴ですが、赤い部分には抗酸化作用のあるポリフェノールの一種のアントシアニンやミネラルが多く含まれています。秋冬のほうれん草はこの赤い部分が多くなり、栄養価がぐっと増すのです」(吉田さん)
濃い緑と赤い根元を目印に

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美味しいほうれん草を選ぶポイントを教えてください。
「まず葉を見てください。葉先がピンと張って緑色が濃く、肉厚なもの、葉脈がきれいな左右対称であるものは鮮度が良く、良い環境で育ったものといえます。
次に茎は適度に太くしっかりしているものを選びましょう。品種にもよりますが、茎が長すぎる場合は日照が不十分で味が薄いことがあります。
また、根元が太く、全体にぐっと締まっているもの、根元の切り口の赤みが強いものは甘みが濃い傾向にあるので、美味しいほうれん草といえるでしょう」(吉田さん)
栄養を無駄なく摂るには
秋冬の気候で栄養価がぐっと高まっているほうれん草を無駄なく摂れる調理法を教えてください。
「ほうれん草の栄養成分は水溶性なので、茹ですぎると流れ出してしまいます。しかしシュウ酸のえぐみがあるので、茹でる必要があります。そこで熱湯で1~2分茹でて、冷水にとって素早く冷まし、すぐ水気を切るようにしましょう。
特に栄養豊富で甘い赤い根元は切り落とさずに、縦十字に包丁で切れ目を入れてから水を溜めたボウルや流水などで根元をもむように洗うと、土がきれいに落ちます。茹でる際には根元だけを湯につけて少し茹で、それから茎、葉の順番に入れてまんべんなく茹で上がるようにします。
「ほうれん草の栄養成分は水溶性なので、茹ですぎると流れ出してしまいます。しかしシュウ酸のえぐみがあるので、茹でる必要があります。そこで熱湯で1~2分茹でて、冷水にとって素早く冷まし、すぐ水気を切るようにしましょう。
特に栄養豊富で甘い赤い根元は切り落とさずに、縦十字に包丁で切れ目を入れてから水を溜めたボウルや流水などで根元をもむように洗うと、土がきれいに落ちます。茹でる際には根元だけを湯につけて少し茹で、それから茎、葉の順番に入れてまんべんなく茹で上がるようにします。
重要な栄養素であるβ-カロテンは、ごま油やナッツに含まれるビタミンEと一緒にいただくと効率良く摂ることができます。さっと茹でてからごま油炒めやピーナツ和えなどにするのがおすすめです」(吉田さん)
甘みや味が濃くなる秋冬のほうれん草。上手に選んで寒さに備えましょう。