トランプ、カタールに「秒で行ける」発言に突っ込み相次ぐ。中東の地理が苦手?

イスラエルとハマスの停戦を仲介したトランプ大統領ですが、地理に関する間違いが指摘されています。
ドナルド・トランプ大統領(2025年10月14日)
ドナルド・トランプ大統領(2025年10月14日)
Kevin Dietsch via Getty Images

アメリカのトランプ大統領がした、地理のテストで不合格になりそうな発言が、SNSで突っ込まれた。 

トランプ氏は10月12日、大統領専用機で記者の質問に答え、イスラエルとハマスの停戦の仲介役を果たしたカタールと、同国のタミーム・ビン・ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー首長を称賛した。

その中で「彼ら(カタール)はとても勇敢だ。指導者である首長も非常に勇敢だ。カタールは他のどの国よりもすべてにおいて“真ん中”にある。線を一本またげば、すぐに行けるような場所だ」と主張した。

さらに「他の国々も近くにあるが、1時間とか1時間半はかかる。大きな違いだ。カタールは文字通りイランのすぐ隣にあって、歩いて行ける。秒で行ける感じだ。パッと行けばもうカタールに着いてるという感じだ。厄介な地域だ」 とも述べている。

トランプ氏は「パッと行けば着く」と言ったが、実際にはカタールとイランは陸続きではない。ペルシャ湾を挟んで向かい合っている。

水上を光の速さで歩行できるのでない限り、カタールからパッとイランに歩いて渡るのは不可能だ。

ワシントンポストのジョン・ハドソン記者は、中東の地図をXに投稿して「誰にも聞かれていないことについて、具体的で完全に誤った情報を語るという、トランプ氏のいつもの奇妙な瞬間だ」とコメントした。

CBSの政治記者キャスリン・ワトソン氏も、地図を示して誤りを指摘している。

トランプ氏はこれまでも度々、地理に関する言い間違いをしてきた。

ポリティコによると、10月初めには「アゼルバイジャンとアルバニアの間で和平を仲介した」と主張したが、実際は「アゼルバイジャンとアルメニア」だった。

また、8月にも、「プーチン大統領と会うためにロシアへ向かう」と語ったが、実際に向かっていたのはアメリカ国内のアラスカだった。

2018年に行われた政治集会では、イギリス、グレートブリテン、イングランドの違いを理解していないように思わせる発言もしている。

この時トランプ氏は「人々は英国をイギリスと呼び、グレートブリテンと呼んでいる。イングランドと呼んでいた時期もあったし、色々な地域がある」と主張した。

しかし実際には、グレートブリテンはイングランド、スコットランド、ウェールズから構成されている。イギリスはこの3国と北アイルランドから構成される連合王国で、イングランドは現在も存在する国だ。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。

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