バズりすぎて出荷停止⇨ついに販売再開の花王「クイックル 洗面ボウルクリーナー」。想定の10倍売れた人気の理由は?開発秘話を聞いた

SNSなどを中心に大きな話題となった花王の「クイックル 洗面ボウルクリーナー」。手を汚さずに洗面ボウルを洗えるアイテム、人気のワケとは?

手洗いやうがい、歯磨きなどで毎日高い頻度で使い、すぐに汚れも目立ってしまう「洗面ボウル」。どのように掃除しているだろうか。

花王が2025年4月末、洗面ボウルを手を汚さずに洗える画期的なお掃除アイテム「クイックル 洗面ボウルクリーナー」を発売し、SNSを中心に大きな話題となった。

口コミでその便利さが広がり、想定の10倍の売れ行きに。安定供給が難しくなったために出荷を一時停止していた。

その後、生産体制を強化し、1117日から出荷を再開する。

出荷停止になるほど人気となった理由は。花王に開発秘話を取材した。

花王「クイックル 洗面ボウルクリーナー」
花王「クイックル 洗面ボウルクリーナー」
花王

「洗面ボウルのそうじは手が濡れる・汚れる」「適切なそうじ方法わからない」の声⇨需要感じ開発

「クイックル 洗面ボウルクリーナー」は洗剤とスポンジが一体化した形状で、なでるだけで洗面ボウルを簡単に掃除できる便利アイテムだ。

洗面ボウルの掃除は通常、洗剤とスポンジを出し手袋を着け……と、わずらわしさからサボりがちになってしまうが、この商品では洗面所を使ったついでにササっと掃除できてしまう手軽さが人気となった。

花王の調査によると、6割を超える人が洗面ボウルの掃除に満足感を得られていなかった。(調査期間:2025年10月、男女393人)

洗面ボウルは水アカ、ヌメリ、黄ばみのほか、皮脂汚れ、歯磨き粉やせっけんカスなど様々な汚れがこびりついてしまうため、掃除するのも大変だ。

2023年7月の調査では、「洗面ボウルのそうじは手が濡れる・汚れる」「適切なそうじ方法がわからない」「道具などの準備が面倒」「毎日使用する洗面ボウルは、そうじをしてもすぐに汚れが目立つ」などの声が寄せられていたという。

そのような声から、もっと便利に使える掃除アイテムの需要を見出だし、開発に乗り出した。

洗剤とスポンジを一体化。着想はまさかの「靴磨き」

クイックル 洗面ボウルクリーナー
クイックル 洗面ボウルクリーナー
花王

花王の担当者は取材に対し、調査での「スポンジや洗剤の準備が面倒」という声が、洗剤とスポンジを一体化するデザインの考案に繋がったと説明する。

「準備や後片付けの手間をなくすため、『スティックタイプの靴磨き』に着想を得て、洗剤とスポンジを一体化するデザインを考案し、手を汚さずに気づいた時にサッと使える製品を実現しました」

開発の中で最も困難だったのは、「“スポンジを押し当てた時だけ”、最適な量の洗剤を出し、かつしっかり泡立たせるという、洗剤の吐出量と泡立ちの最適なバランスの実現」だったという。

「これを達成するため、液が出る弁構造の精密な設計と、スポンジの素材やセル構造のきめ細やかな調整に、数多くの検証を重ねました。最終的に、洗浄液が過不足なく出て、十分な泡立ちで汚れを落とせる、吐出と泡立ちを両立した一体型構造を実現できました」

使い方はシンプルだ。キャップを外し、スポンジ部分を清掃面に押し付けて泡立て、洗面ボウル全体を軽くこすり洗いして水で流すだけだ。

「クイックル 洗面ボウルクリーナー」の使い方
「クイックル 洗面ボウルクリーナー」の使い方
花王

抗菌スポンジを採用しているため、使い終わった後は、スポンジの汚れを水で洗い、洗面ボウルに数回プッシュして洗剤をしみこませるだけで清潔に保つことができるという。

「スポンジ自体も衛生面に配慮した抗菌仕様ですが、スポンジ内部に洗浄液を行き渡らせてから保管することで、さらにスポンジを清潔に保ちやすくなります。洗剤を染み込ませた直後にキャップを付けて問題ありません」

ライト層にも受け入れられ、大きな反響

今年4月26日に発売するとSNSの口コミで広がり、一時は当初計画の約10倍の売れ行きに。

担当者によると、当初は「洗面ボウルを週1回以上掃除する」層を主要ターゲットと想定していたが、使いやすさや新しさが注目され、20~30代の単身者などを含む「洗面ボウルそうじ週1回未満」のライト層にも広く受け入れられたという。

想定を大きく上回る需要が発生し、本体(100ml)を出荷停止する事態となったが、約半年の調整を経て、11月17日からの出荷再開を決定。全国の店頭やオンラインショップにて順次販売を再スタートする。

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