写実絵師で調理師の山田めしがさん(@meshieshi)が投稿した“たこ焼きを焼く動画”が、Xで大きな話題を呼んでいます。
投稿された動画は、一見するとたこ焼き器に油をひき、生地を流し込み、具材を入れて焼いている普通の調理風景。しかし実はこれ、すべて紙の上に描かれたイラストなのです。
動画の冒頭には、鉄板の丸い穴ひとつひとつまで光の反射が描き込まれた「空のたこ焼き器」が映し出されています。続いて、筆で“生地”を流し込む工程へ。とろりと広がる薄黄色の液体も、跳ねるような白い飛沫も、すべて絵の具による表現です。
具材のタコを描く場面では、吸盤の質感や断面のグラデーションまで極めて精密。さらに終盤では天かすが散らされていく様子も描き込まれ、画面はまるで本物の鉄板のようになっていきます。
山田さんによると、この作品には現在までに約96.5時間(約4日)を費やしており、今も制作中とのこと。
「誰も見ないような所もしっかり塗り込んでいます。動画で一瞬しか映らない部分も誤魔化さず塗ることで、なるべく違和感が出ないように注意しています」と話します。
さらに、「今後も塗り重ねていくので、紙が最後まで耐えられるよう水分量を常に調整しながら進めています。毎回、祈る気持ちで塗り重ねています」と制作の裏側も教えてくれました。
完成までには、さらにこれから「ざっくり50時間ほど必要」といい、まさに職人の執念が詰まった作品です。
SNSには、「パッと見ガチの調理動画」「ジュウジュウ音まで聞こえる気がする」「大阪なら人間国宝レベル」「ただただすごい…そして美味しそう」など驚きの声が相次いでいます。
反響について山田さんは、「まだ焼き上がってもいないのに、たくさんの方に見てもらえて嬉しい。焼き上がりを楽しみにしてくれる方が多いので、美味しいたこ焼きを描き上げたいです。(紙、がんばれ!という気持ちです)」とコメントを寄せています。
【動画】本物にしか見えない“たこ焼き”