8.5時間かける「究極の秋刀魚のマリネ」~香ばしさを包む秋の味わい~

時間と手間をかけてこそ到達する究極の味。ひんやりと香ばしい『究極の秋刀魚のマリネ』は秋の夜長の風物詩として語り継がれる料理となるだろう。

最近の料理トレンドといえば時短と簡単。だが、時間と手間をかけてこそ到達する究極の味がある。何てことない定番料理が「ここまで美味しくなるのか!」と驚くことだろう。

『究極の秋刀魚のマリネ』

30分かけて‟香ばしさ"というスパイスを色とりどりの野菜にプラスする。そんな野菜たちと秋刀魚を合わせ、8時間じっくりと冷蔵庫で冷やす。

『究極の秋刀魚のマリネ』は赤、緑、黄と彩り豊かな景色を楽しめる秋さながら、複層的な味わいを楽しめる。ひんやりと冷えた秋刀魚の味わいの中に、じっくりと焼かれたナスとネギの香ばしさ、トマトの甘味が主張するのだ。

まだ少しだけ暑さが残るこの季節、ひんやりと香ばしい『究極の秋刀魚のマリネ』は秋の夜長の風物詩として語り継がれる料理となるだろう。

■材料(2人分)

ナス......3本

サンマ(刺身にできるもの)......2尾

トマト......大3個

長ネギ......1本

塩......小さじ1/2

ゼラチン......7.5g

白ワインビネガー......大さじ1程度

昆布......5g

■作り方

①サンマを3枚におろす10分

サンマを3枚におろして皮をむき、腹骨もすき取る。塩をふってビネガーをまんべんなくつけて、冷蔵庫に一時的に保管しておく

②ナスに穴を空ける1分

焼いたときの破裂防止のため、竹串などでナスに穴を空けておく

③トマト、ナス、ネギをグリルする15分

ナスとトマトと長ネギを中火のグリルで焼く。トマトは5~7分ほど焼いたら途中で取り出して

④トマトを漉す5分

トマトが柔らかくなったらトマトをグリルから出して皮をむき、軽く潰してから漉す

ポイント

湯むきではなく、一度じっくりと火を通すことで水っぽくならず、甘みも増す

⑤トマト汁にゼラチンを溶かす5分

漉してできたトマト汁を塩で調味し、ゼラチンを加えて溶かす

※漉して残ったトマトの果肉はミートソースの材料などにすると良い

⑥焼きナスの皮を剥いて割く5分

15分ほどグリルして焼き目がついたナスは皮をむいて、縦に4等分する。冷やしナスの要領でヘタの部分をまず落としてから縦に切り込みを入れてむくと簡単に4等分することができる

⑦ネギの皮をむいてカットする3分

ナス同様、グリルで15分ほど焼いたネギの皮をむいて、カットする。でカットする大きさは固める器の大きさに合わせる

⑧器に材料を重ねて冷やす8時間

準備しておいた容器にゼラチンを溶かしたトマト汁を少し敷いてから、サンマ、ナス、ネギをお好みで重ねていく。途中で残ったトマト汁の半分を入れて中にしみわたらせる。最後に残りの具材を再度重ねてからトマト汁をすべて入れ、上に昆布を乗せる。そのまま冷蔵庫で一晩寝かせる

⑨取り分けて完成3分

ゼラチンが固まったか確認のうえ、出来上がったものを取り出して盛り付ける。最後にオリーブオイルをお好みでかけてできあがり

ワイン片手に秋を嗜む「究極の秋刀魚のマリネ」

ナス、トマト、ネギをグリルでじっくりと火を通すことで、味が濃くなり美味しさが増す。さらにゼラチンで固めて一晩寝かせることで味に一体感が出て、サンマの味もぐっと美味しくなる

『究極の秋刀魚のマリネ』は大切な女性へのおもてなしにぴったりの一品。秋の夜長、ワイン片手に『究極の秋刀魚のマリネ』をつまみながら語り合えば、忘れられない素敵なディナーのプレゼントとなること間違いなしだ。

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撮影┃溝口智彦

土屋敦┃Atsushi Tsuchiya

All About「男の料理」ガイド。本当においしい料理のレシピや調理法を伝える料理研究家として、雑誌、テレビ等多方面で活動中。最近の著書には『男のハンバーグ道』『男のパスタ道』『家飲みを極める』がある。

~長時間レシピシリーズ~

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