「旧臨時軍事費特別会計歳入歳出整理額計算書」という国の書類がある。
毎年度の一般会計の決算に添付され、国会に提出されてきた。
しかし、昭和50年度から、この計算書上の計数の異動はない。
そのため、決算行政監視委員会の理事として、一般会計と区分経理をする必要性はもはやなくなったといってもよい状況にあると判断し、財務省の理財局を中心に関係部署を集め、この計算書の廃止及び関連する債権債務の精算等、戦争の決算にむけて打ち合わせをしてきた。
(詳しくはブログの下記バックナンバーを参照
まだ終わっていない戦争の決算 2013年4月11日
まだある未整理の戦争の遺産 2013年6月20日
決算していない特別会計 2013年6月29日
ここで、特別会計改革の一環として、「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく大蔵省関係諸命令の措置に関する法律」を一部改正し、「計算書」を廃止することになった。
さらに、これまで区分経理されていた計算書上の歳出歳入を一般会計に組み入れることになった。
同計算書上では、歳出が197億5400万円、歳入を上回っているので、平成25年度の一般会計決算の剰余金を同額減額することによって対応する。
さらに臨時軍事費特別会計の債権債務への対応も必要だ。
債権は、満州国軍事部軍政司長や南満州鉄道株式会社に対して1300万円分がある。しかし、これらは債権放棄せざるを得ないだろう。
債務は、外資金庫と横浜正金銀行に414億円。
さらに精算中の六つの閉鎖機関、蒙彊銀行、中国聯合準備銀行、中央儲備銀行、朝鮮金融組合聯合会、南方開発金庫、外資金庫の外国向けの債務がある。
さらにこれらの金融機関が外国で発行した紙幣が大量に「発見されて」持ち込まれたときにどう対応するのかという問題もある。
さらに外務省が管理する旧「外地特会」もまだ残っている。
戦争の決算、ようやく動き出した。
(2013年10月11日の「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」から転載しました)