結婚する人はなぜ少ない? 宇治市議、「再婚活サイト」でトラブルも

昨年結婚した人の数は戦後2番目に少ない――。厚生労働省が発表した2012年の人口動態統計によると、昨年の婚姻数はの66万8788組で、戦後2番目の少なさだった。最も少なかった昨年より6893組増え、4年ぶりに増加に転じた。官民一体となっての「婚活」支援が盛り上がる一方、妻子がいるのに「再婚活サイト」に登録した市議が女性とトラブルになる問題が浮上して市議会を巻き込む騒動になるケースも...
Newly married couple walking down the avenue in the forest
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Newly married couple walking down the avenue in the forest

昨年結婚した人の数は戦後2番目に少ない――。

厚生労働省が発表した2012年の人口動態統計によると、昨年の婚姻数はの66万8788組で、戦後2番目の少なさだった。最も少なかった昨年より6893組増え、4年ぶりに増加に転じた。官民一体となっての「婚活」支援が盛り上がる一方、妻子がいるのに「再婚活サイト」に登録した市議が女性とトラブルになる問題が浮上して市議会を巻き込む騒動になるケースも。晩婚化傾向も続き、若者の雇用問題が結婚できない要因として指摘される中「結婚したくても、結婚できない」は深刻なようだ。

厚生労働省の統計によると、婚姻数は1970年ごろ、100万組を超え、人口1千人あたりの婚姻率は10.0以上だった。しかし。1972年の109万9984組をピークに減少傾向となり、一時、増加に転じたり、横ばいで推移したりしたが、2009年以降は減少を続けていた。昨年結婚した人は66万8788組で、人口千人あたりの婚姻率は5.3だった。

晩婚化の傾向も進む。初婚の平均年齢は夫が30.8歳、妻は29.2歳。前年よりわずかに上昇している。

では、最も初婚年齢が高い都道府県は?答えは、夫・妻ともに東京都。逆に若くして結婚する人の割合が最も高い=初婚年齢が最も低いのは、夫が宮崎、妻が福島県だった。(文末:都道府県別・平均初婚年齢のトップ・ワースト1~3位)

再婚の割合も近年上昇している。

1993年は夫12.7%、妻11.1%だったが、2003年には夫17.1%、妻15.4%と上昇。年々増加し、昨年は夫19.0%、妻は16.4%だった。

●ネットで出会って結婚、3分の1?

近年、官民一体となって若者の結婚支援に力を入れている。

「結婚・妊娠・出産支援対策」は、「女性手帳」の議論で話題になった有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」の提案に、緊急対策の柱として盛り込まれている。これは「子育て支援」と「働き方改革」とともに、3本の矢として位置づけられ、新婚世帯に対する税制面での支援措置などを検討するという。

また、「街コン」を初めとする自治体やNPOが主催する工夫を凝らした「婚活」も花盛りだ。

ネットで出会いを求める人もいるのではないだろうか。結婚した人の3分の1がネット上で知り合ったというデータもある。

WIREDによると、2005年以降、米国で結婚した人の1/3がオンラインで知り合い、そのうち、ほぼ半数が、マッチングサイトを通じて出会っていたという調査結果が発表された。さらに、ネット上で出会って結婚した夫婦は、「現実世界での出会い」で結婚した人より離婚が少なかったという。

●宇治市議、妻子いるのに「婚活サイト」登録で市議会紛糾

一方、ネット上での「婚活」がトラブルになるケースも。そのトラブルの一つが、京都で市議会を巻き込んだ騒ぎになっている。

京都府宇治市議会の金ケ崎秀明議員(42)=1期目が、妻子がいるにも関わらず、離婚者のための再婚サイトに登録して女性とトラブルになったと問題になり、市議会で責任問題を追及する騒動に発展しているのだ。

産経ニュースによると、金ケ崎市議は「別居中や離婚が決まっていても、法律上婚姻状態にある場合は一切利用できない」というサイトの方針に反して登録。同サイトを通じて知り合った30代女性と交際したがトラブルになり、京都家庭裁判所に調停の申し立てをしているという。

産経ニュースによると、7日に開かれた市議会全員協議会での金ケ崎市議の弁明は次の通り。

・(女性とのトラブルについて)「女性のプライバシーも、私の家庭のプライバシーもあり、一切の説明を控えさせていただきます」

・(婚活サイトの会員資格は目につきやすく、「独身と偽って登録したのではないか」といった質問に対し)「手順上、サイトの細かな契約約款などを確認すればよかったが、確認に見落としがあった」「手順を誤ったのではないかと思う。そこを反省している」

・(今後については)「一生懸命汗をかいて、活動する決意です」
産経ニュース 2013/6/10 7:00)

金ケ崎市議は議会内で問題になった後の6月3日、議長に問題を報告。責任問題を問う声が高まり、常任委員会の副委員長を辞任し、さらに所属していた自民党会派を離脱した。朝日新聞デジタルによると、7日に開かれた市議会全員協議会で金ケ崎議員は「サイトの趣旨と(登録)手順を十分理解していなかった」と釈明した。一方、辞任の意向はないとしている。

結婚する人の人数が減っているのは、若者たちの雇用問題が要因だと指摘する声も多い。非正規雇用だったり、給料が安かったりして、生活が安定せず「結婚したくてもできない」という人が増えているからだ。これは、少子化問題にもつながる問題だ。

数字で一喜一憂するのではなく、現実に即した具体的な対策を着実に実行に移すことが期待される。

【都道府県別 平均初婚年齢】

平均初婚年齢の高い都道府県(歳)

<夫>

1.東京  32.1

2.神奈川 31.5

3.埼玉  31.3

<妻>

1.東京  30.3

2.神奈川 29.7

3.京都  29.5

平均初婚年齢の低い都道府県(歳)

<夫>

1.宮崎  29.8

2.福島  29.9

2.沖縄  29.9

<妻>

1.福島  28.1

2.宮崎  28.4

3.岩手  28.5

3.愛媛  28.5

3.山口  28.5

3.沖縄  28.5

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