世界最高齢の男性が死去 116歳、京都府京丹後市の木村次郎右衛門さん

世界最高齢としてギネス認定を受けた木村次郎右衛門(きむら・じろうえもん)さんが12日未明、老衰のため亡くなった...
KYOTANGO, JAPAN - JUNE 20: (CHINA OUT, SOUTH KOREA OUT) Jiroemon Kimura celebrates being the oldest man in Japan at the age of 112 at his home on June 20, 2009 in Kyotango, Kyoto, Japan. (Photo by The Asahi Shimbun via Getty Images)
KYOTANGO, JAPAN - JUNE 20: (CHINA OUT, SOUTH KOREA OUT) Jiroemon Kimura celebrates being the oldest man in Japan at the age of 112 at his home on June 20, 2009 in Kyotango, Kyoto, Japan. (Photo by The Asahi Shimbun via Getty Images)
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世界最高齢としてギネス認定を受けた木村次郎右衛門(きむら・じろうえもん)さんが12日未明、老衰のため亡くなった。居住地だった京都府京丹後市のホームページには木村さんを追悼するバナーが出ている。

■史上最も長生きした男性

木村さんは1897年(明治30)年4月19日生まれ。地元の郵便局で働いた後、自宅で農業をしていた。2011年4月、アメリカの男性が死去したことにともない当時の存命中の世界最高齢の男性としてギネス世界記録に認定された。12年12月、男女を通じて世界最高齢となり、同月28日には115歳253日で史上最も長生きした男性と認定された。115歳の誕生日を迎えた際、取材に訪れた記者に対して「いまは英語の勉強を頑張っています」と答えたという。

産経新聞は木村さんの人となりについて以下のように伝えている。

座右の銘は「苦にするな嵐のあとに日和あり」。訪れた人に対して、「サンキュー・ベリー・マッチ」と、にこやかにあいさつするユーモアあふれる人柄が親しまれた。子供7人に孫14人、ひ孫25人、やしゃご15人にも恵まれた。

産経新聞 2013/06/12 12:00)

朝日新聞では、

木村さんは礼儀正しい性格で、お祝いの際もずっと正座を崩さず出席してくれた人全員に深々とお辞儀をしてお礼を言った。若い頃から大病を患ったことがなく、「健康のひけつは腹八分目」が口癖。お酒が好きで100歳になるまで親類が集まると楽しそうに杯を重ねたという。

朝日新聞デジタル 2012年12月29日00時58分)

■1897年という年

木村さんが生まれた1897年はどのような出来事があったのだろうか。国内では足尾銅山の鉱毒被害者が東京・日比谷で請願運動を行い、金本位制の確立となる貨幣法が公布された。京都帝国大学(京都大学の前身)や日本勧業銀行(みずほ銀行の前身)が創立、日本楽器製造株式会社(現在のヤマハ株式会社)も創業した。

海外では、アメリカで第25代大統領のウィリアム・マッキンリーが就任、発明王エジソンが映写機の特許を取り、イギリスのヴィクトリア女王は還暦を迎えた。非暴力の父・ガンジーは南アフリカで弁護士として勤務しながら、インド系移民の法的権利擁護活動に取り組みはじめた。

木村さんと同じ年に生まれた有名人には、哲学者の三木清、画家の東郷青児、小説家の大佛次郎がいる。海外ではインド独立運動の指導者チャンドラ・ボース、女性初の大西洋単独横断飛行を達成した飛行士のアメリア・イアハート、フランスの哲学者のジョルジュ・バタイユ、ナチスドイツで宣伝相を務めたヨゼフ・ゲッベルスなどがいる。また、この年に亡くなったのは啓蒙運動家で教育者の西周、作曲家のブラームス、政治家で外交官だった陸奥宗光などだ。

これらの歴史上のイベントや同時代を生きてきた人たちの名前を見るだけでも、木村さんが生きてきた歴史の長さを感じられるだろう。

2012年9月の厚労省の調べでは、日本には100歳以上の人が50000人以上いるという。

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