第23回参議院議員選挙が公示された4日、433人が立候補を届け出た。このなかには、昨年12月の衆院選で落選し、「くら替え」を狙う前衆院議員25人も含まれる。時事通信は次のように報じている。
今回の参院選に「くら替え」出馬した元衆院議員は選挙区12人、比例代表25人の計37人。前回よりも5人増え、参院が元衆院議員の「受け皿」となる傾向がさらに強まった。
(時事通信「くら替え出馬は37人=昨年衆院選落選組が7割【13参院選】」2013/07/04 17:44)
また、産経ニュースは、くら替え候補について下記のように報じている。
くら替え組には、鹿野道彦元農林水産相(民主)、山岡賢次元国家公安委員長(生活)、山田正彦元農水相(みどり)ら閣僚経験者のほか、「国民の生活が第一」の幹事長を務めた東祥三氏(生活)も比例名簿に名を連ねた。
(産経ニュース「目立つ衆院落選組、女性候補も微増」より。 2013.7.4 21:40)
参議院は、衆議院と性格が異なり、政権を選択する意味を持たない。衆院には予算議決や条約承認の優越もあるため、衆議院を目指す政治家も多い。そんな性格の衆議院から参議院への「くら替え」は、有権者から見ると節操がないと取られてもしかたがない。有権者の声の一つとして、産経ニュースは次のように報じている。
こうした状況に対し、首をひねる有権者もいる。神奈川県大和市の女性会社員(31)は「衆院がダメなら参院へ、では印象がよくない。国会議員になれればそれでいいのかと思ってしまう」と話した。
(産経ニュース 『「議員になれれば…」 衆院選落選組のくら替え候補、多数参戦へ』より。2013.7.4 00:58)
批判もあるにもかかわらず、参院選に立候補するのはなぜか。zakzakは今年1月末の記事で次のように分析している。
衆院選で自民党が294議席を得て圧勝したため、「次期衆院選は4年後では」との見方が強いこと。つまり、「そんなに待てない」という落選組の焦りだ。
(zakzak『参院選くら替え“大物11人”当落分析! 真紀子氏、仙谷氏「大苦戦」』より。2013.01.26)
参議院でも精力的に法制に活動する議員もいることも事実である。しかし、4年後まで待てないという理由だけであるのであれば、駿河台大学の成田憲彦教授の言うように「参院で必要な人材について議論を深めるべき」なのではないだろうか。
参議院に必要な人材について、あなたはどう思いますか?
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