8月15日の終戦記念日に、安倍晋三首相が靖国神社を参拝するかどうかについて菅義偉官房長官は明言せず、参拝は見送られるのではとの観測が広がっている。
菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、安倍晋三首相が8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝するかどうかについて、「総理や各閣僚が私人の立場で参拝するかしないかについては、政府としての答えは差し控えたい。これは安倍内閣の基本的な姿勢だ」と明言を避けた。
(時事ドットコム「安倍首相の靖国参拝、明言せず=菅官房長官」より 2013/07/25 12:28)
安倍首相本人も21日の参院選後、NHKのテレビ番組で靖国参拝について訊かれた際に、同様の回答をしている。
「国のために戦った方々に対し、敬意を表し、尊崇の念を表し、冥福を祈ることは当然だろう。一方、そのこと自体が外交問題に発展していく可能性があるなかで、今の時点で、行く、行かないということを私は申し上げるつもりはない。各閣僚は、それぞれの信念のなかで判断していただきたい」
(NHKニュース「安倍首相 政治をしっかり前に進める」より 2013/07/21 22:30)
選挙後には公明党や中国共産党の機関誌・人民日報、米ニューヨーク・タイムズが安倍首相の参拝を牽制する発言をしており、これに配慮したものと見られる。25日時点では、すでに見送りを決めたとの一部報道もある。
22日付の中国共産党機関紙・人民日報は、21日の参院選で安倍晋三首相率いる自民党が圧勝したことに関して「国際社会は、安倍氏が8月15日の終戦記念日や10月の秋季例大祭に靖国神社に参拝するかどうか細心の注意を払っている」と指摘した。
(時事ドットコム「安倍首相の靖国参拝に警戒=「日本の方向に関心」-中国共産党機関紙【13参院選】」より 2013/07/22 07:06)
公明党の山口那津男代表のコメント。
「外交上問題を起こしてきたテーマだ。歴史の教訓は安倍さん自身がご存じなので、賢明に対応されると思う」と述べ、首相をけん制した。
(時事ドットコム「靖国問題で安倍首相けん制=公明代表【13参院選】」より 2013/07/22 00:05)
ニューヨーク・タイムズの社説でも靖国問題に触れられている。
社説は今回の選挙で安倍晋三首相の経済政策が支持されたと指摘。日本の重要な貿易相手国である中国を刺激する靖国神社参拝や防衛力増強などに突き進めば、「経済成長や政治基盤の安定を損なう」と警告を発した。
(時事ドットコム「靖国参拝、政治基盤損なう=安倍首相に警告-米紙社説」より 2013/07/23 16:18)
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