ウィキリークスに機密情報漏洩のマニング上等兵、有罪で最長禁錮136年の可能性 「敵ほう助罪」では無罪

米軍法会議は30日、内部告発サイト「ウィキリークス」に外交公電などを提供した陸軍上等兵ブラッドリー・マニング被告(25)に対し、防ちょう法違反などで大半の罪状について有罪とする判決を言い渡した。

米軍法会議は30日、内部告発サイト「ウィキリークス」に外交公電などを提供した陸軍上等兵ブラッドリー・マニング被告(25)に対し、防ちょう法違反などで大半の罪状について有罪とする判決を言い渡した。ただ、量刑が最も重い敵ほう助罪では無罪とした。時事通信が伝えた。

審理では、同被告が国際テロ組織アルカイダの目に留まることを知りながら情報を流出させたかどうかが最大の焦点になったが、判決は、同被告をテロ組織に情報を流した「裏切者」だとする検察側の主張を退けた。

ただ、マニング被告は22件の罪状のうち20件について有罪と認定され、最長で禁錮136年の刑に処される可能性がある。

イラク戦争中にバグダッド近郊で情報分析を担当していたマニング上等兵は、米国の戦争にかかわる機密文書を大量に流出させた疑いで2010年5月に米軍によって拘束され、かつてアル・カポネも服役したという米カンザス州レブンワースの刑務所に収監されている

マニング上等兵は2013年2月28日にメリーランド州の陸軍基地内で開かれた軍法会議に先立つ予備審問で証言。イラクやアフガニスタンの戦闘現場からの報告書や国務省の外交公電など大量の情報を2009~10年にウィキリークスに提供したことを認めた。ただし、立証されれば終身刑の可能性がある「敵対勢力のほう助」などの罪状については有罪を認めなかった。

AFP通信によると、マニング被告はオクラホマ州クレセントで、米国人の父親と英国人の母親の間に生まれた。両親は後に離婚。被告は幼いころからパソコンに興味を示し、初めてウェブサイトを作ったのは10歳のときだったという。

17歳までに同性愛者であることを公表。オクラホマ市(Oklahoma City)内のソフトウェア企業に就職したものの4か月で解雇され、ハッカーの世界に足を踏み入れた。その高度な機密情報アクセス技術が認められ、米軍入隊後は米軍情報部で戦場での情報分析官となる。

同性愛者だと公言していたため、訓練期間中には同期からいじめを受けた。上官にも軍の生活に適合できないと判断され、除隊を勧告された。しかし、被告の高度なIT技術はまさに分析官向きで、除隊勧告は取り消された。

イラクに派遣されたマニング被告は、そこで情報分析に当たる中で目撃した出来事に激しい衝撃を受ける。それが、やがて不法に機密情報を入手しウィキリークスに漏えいする動機につながっていった。

ハフィントン・ポスト米国版では、マニング上等兵判決のニュースを速報で伝えている。

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