台湾の陸軍基地で7月上旬、兵役中の若者が虐待とも言えるしごきを受け、死亡した事件の抗議集会が3日夜、台北の総統府前で行われ、当局によると10万人以上が集まった。主催者側は20万人以上としている。共同通信が伝えた。
NHKによると、この事件は、陸軍の兵役についていた23歳の男性が、禁止されているカメラつきの携帯電話を持っていたとして処罰のため監禁施設に送られ、今月4日に死亡したもの。
軍は、男性の死因は熱中症で炎天下で行き過ぎた訓練を実施し、水もほとんど飲ませないなど、虐待とみなされる行為があったことを認め、関係者37人を処分し、事態の収拾を図ろうとした。
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しかし、その後、監禁施設の監視カメラの映像の一部が消去されていた可能性が指摘されるなど、軍がこの事件の隠蔽を図っていた疑いがあることが明らかとなった。
時事通信によると、政府への抗議活動にこれだけの人数が集まるのは異例。事件を受け、馬英九政権は国防部長(国防相)を交代させたが、台湾社会の政権に対する不信感がなお根強いことが改めて示された格好だ。
集会には若者の姿が目立ち、「(事件の)真相が知りたい」などと馬政権に訴えた。集会を受け、江宜樺行政院長(首相)は同日夜に記者会見を開き、過去に軍部で発生した兵士死亡事件の真相を究明する委員会を政府内に設けることなどを約束。火消しに躍起となっている。
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