訪問者は、タッチスクリーンを使ってシャニースに訪問の目的を伝える。シャニースは、訪問者に挨拶をした後、どこへ行けばいいか、どの書類に記入が必要かといった基本的な情報の提供を行う(出生や死亡、婚姻の届け等を担当)。
ブレント区の広報によると、シャニースは本物の受付係のようにデスクの後ろに座っているが、よく見ると透明なスクリーンに映し出された映像であることがわかるという。この技術は英国ではすでに複数の空港や展覧会場で活用されているが、役所で導入されたのは初めてとのことだ。
受付係を演じるのは女優のシャニース・スチュワート・ジョーンズ
ブレント区はこの技術の導入に1万2000ポンド(約183万円)を投入したが、実際の人間を採用した場合の人件費と比べれば1万7000ポンド(約259万円)の経費削減になると述べている。しかし、人間の受付係とは異なり、シャニースが答えられる質問は限られている。(さらに、再プログラムやメンテナンス費用は含まれていない)
シャニースの導入について、野党の自由民主党に所属するアリソン・ホプキンス議員は、英紙『イブニング・スタンダード』に次のように語っている。「驚くほど高価な解決策だ。シャニースは、事前に録画されている数少ない状況にしか対応できず、基本的な質問にも答えられない。せめて、トイレはどこか? というもっとも一般的な質問への回答くらいは用意して欲しかった」
ブレント区で市民(Customers and Citizens)部門の責任者を務めるジェームズ・デンスロー議員は、シャニースの導入について次のようにコメントしている。「もっともよい点は、多額のコストを削減できる点だ。われわれは経費削減のための革新的な方法を常に探しているが、シャニースほど最先端なものはないだろう」
[(English) 日本語版:兵藤説子、合原弘子/ガリレオ)]