この地図を見ると、たしかに関心を呼びそうな見出しに結びつきそうな感じがあるが、その後、この恐怖は大げさであることが明らかになった。
東日本大震災の津波で流された「がれきの島」が話題になったのは、今週NOAAが地図をウェブサイトに公開してからのことだ。この地図では、太平洋岸から約2700キロ離れたカリフォルニア州とハワイ州の間に、「巨大な漂流物のかたまり」があるように示されている。
この公開を受け、英紙『インディペンデント』が「米国沿岸に巨大ながれきの浮島が接近している」と警告するなど、複数のメディアが危険性を報じることになった。しかし、「Salon」の記事によると、NOAAはこの地図の公開後に、「一時期は500万トンのがれきが漂流していた可能性はあるが、その70%はすでに海に沈んでいる」と明らかにしたという。
NOAAの広報はSalonの取材に対し、「米国沿岸に近づく巨大ながれきの塊というものは存在しない」と話し、地図で示されたのは漂流物が集中している場所であって、物理的な塊の大きさではないと説明した。また、NOAAのウェブサイトには、次の内容を含む声明が公開された。
日本で地震と津波が発生してから3年が経った今、漂流するがれきは分散している。非常に広範囲に散らばっており、ほとんどのがれきは目立たず小さいため、太平洋上を飛行機で通過しても目にすることはないだろう。
そうは言っても、米国に流れ着くがれきの数はゼロというわけではない。実際、すでに大量のがれきが漂着しており、この数は今後ますます増えるだろうとNOAAは伝えている。
「FOXニュース」によれば、がれきに関して懸念されるのは、そこに付着している生物だという。オレゴン州立大学海洋科学センターの科学者ジョン・チャップマン氏は、「がれきの中では、あらゆる種類の日本の生物が増殖していることがわかっている」と話す。「現在までに、米国側では発見されたことのない165の外来種が見つかっている。これは好ましい状態とは言えない」
[Meredith Bennett-Smith(English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ]
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