土曜日の授業、文科省が推進へ 保護者は「隔週」の実施を希望?

公立の小中学校で、土曜日の授業が行いやすくなる。土曜日の授業実施を望んでいる親は多数に上ると見られているが、「毎週」ではなく「隔週」での実施を望む親のほうが多いという。どういうことだろうか。

文科省は11月29日、公立の小中学校などにおいて土曜日に授業の授業が行いやすくなるよう省令を改正した。現行では土曜日に授業を実施できるのは「特別な必要がある場合」に限られているが、「教育委員会が必要と認める場合」は実施できるようになる。

下村博文・文部科学相は、閣議後の記者会見において、「地域や企業の協力を得て、土曜日の教育活動推進プロジェクトを進めていきたい」と述べ、地域住民や社会人などの外部講師によるボランティアの「出前授業」を推進する考えを示した。下村文科相自身も、12月中旬に東京都内の小学校において、算数の授業を行うという。

■土曜授業をのぞむ保護者は3割以上

文科省が9月に発表した「土曜授業に関する検討チーム」の最終まとめによると、児童生徒の土曜日の授業実施をのぞむ保護者は3割以上になった。

小学校の子供を持つ保護者では、「習い事やスポーツ,地域の活動に参加する」を選んだ人が38.7%と最も高く、次いで「家族と過ごす」を選んだ人が37.2%となり、「学校で授業を受ける」の36.7%を上回った。

中学生の子供を持つ保護者で最も多かったのは「学校の部活動に参加する」で54%となり、次いで「学校で授業を受ける」が36.1%となった。

小学校

中学校

また、ベネッセ教育研究開発センターが朝日新聞社と共同で行った調査では、80%以上の保護者が土曜日の授業実施を望んでいるという結果が出でいる。しかし、全ての土曜日で授業が実施されることを望む親は23%程度となっており、多くは隔週での土曜授業を望んでいるとみられる。

この状況について、Benesse教育情報サイトは、週休2日制が浸透している状況では、土曜日を授業ばかりではなく多様な活動に使いたいとする保護者の考えがうかがえると分析している。

社会的に週休2日が定着するなかで、子どもだけ土曜日に登校することへの抵抗や、土曜日を体験的な活動に使うことの利点も感じているのでしょう。結果として、もっとも支持を集めたのは「隔週学校週5日制」でした。子どもとともに自由に使える土曜日の必要性を感じつつも、もう少し勉強してほしい。そんなところが、保護者の本音でしょうか。

(Benesse教育情報サイト「保護者の7割が望む土曜授業──その実現のために考えるべきこと‐木村治生」より 2013/06/05)

■土曜授業をのぞまない教育委員会

一方、文科省の調査によると、市区町村教育委員会からは土曜授業に否定的な意見が多いようだ。土曜日の授業が必要でないとされる理由を、MSN産経ニュースは次のように報じている。

全国の市区町村教育委員会でも、「土曜授業は必要」と回答したのが11%だったのに対し、「必要でない」としたのは3倍の30%に上った。その理由として各教委では(1)教員の勤務体制の調整が困難(2)部活動の日程との調整が困難(3)地域の教育活動との調整が困難-などの課題を挙げた。

(MSN産経ニュース『土曜授業実施1割 全国公立小中高、教委3割「必要ない」』より 2013.10.8 07:20)

【※】土曜日の授業実施はどのような形が望ましいと考えますか。ご意見をお寄せください。

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