カラコンでトラブルが増加 粗悪品が出回る

国民生活センターが、カラーコンタクトレンズ(カラコン)の粗悪品が出回っているとして注意を呼びかけている。国の承認を得て販売されている17の製品を調べたところ、着色部分がレンズ表面に露出していた製品は11にのぼり、また、度入りの16製品のうち15製品で、8時間の装着で目が充血したり、角膜に傷がついたりするなどの問題が発生したという。
imasia

国民生活センターは5月22日、カラーコンタクトレンズ(カラコン)の粗悪品が出回っているとして、注意を呼びかけた。カラコンは、瞳の色や大きさを変えられることで人気だが、国の承認を受けて販売されている製品でも、レンズの品質が原因で、透明なコンタクトレンズよりも眼障害を起こしやすいものがあるという。

全国の消費者センターに寄せられるカラコンに関するトラブルの相談は近年増加しており、2009年度からは年間100件前後で推移。日本コンタクトレンズ学会によると、2012年7月〜9月の3カ月間に、カラコンによる眼障害が395症例報告されていた。

トラブルの原因としては、使い方の問題だけではなく、カラコンは透明なコンタクトレンズに比べて酸素透過性が低いことや、着色部分が角膜や結膜を傷つける可能性があるなど、レンズ自体の安全性の問題もあげられていた。

そのため国民生活センターは、国の承認を得て販売されている17の製品を調査。その結果、着色部分がレンズ表面に露出していた製品は11にのぼり、さらに、そのうち9製品の製造販売元等のホームページには、着色部分がレンズ内部に埋め込まれている旨の広告表示がされていたという。

その他、レンズケアが必要な9つの製品のうち、1つの製品でレンズケアによる色落ちがみられたほか、度入りの16製品のうち15製品で、8時間の装着で目が充血したり、角膜に傷がついたりするなどの問題が発生した。

国民生活センターがカラコンの使用者を対象に実施したアンケートでは、カラコンの販売購入形態は通信販売が81.4%と最も多く、また、購入する際に43.5%が眼科を受診したことがないという状況だった。

国民生活センターは、カラコンのリスクを十分に理解した上で使用すべきとしており、使用する際にも必ず眼科を受診し、眼科医の処方に従ったレンズを選択するべきとアドバイス。個人輸入でのカラコン購入についても、「日本において安全性が確認されているわけではありませんので、安易に購入しないようにしましょう」と呼びかけている。

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