2014年10月20日 00時10分 JST | 更新 2014年10月21日 21時03分 JST

「定番だからこそ、伝わる個性がある」あるトレンチコートの物語

イギリスで19 世紀に誕生したトレンチコート。あなたは、この歴史あるアイテムを“フォーマル”なアイテムだと思っていないだろうか。日本では、正統派のアウターウェアとしてビジネスシーンで着る人が多いかもしれない。

しかし、世界には、定番のトレンチコートを日常にうまく取りいれて“自分らしく、カジュアルに”着こなしている人たちがたくさんいる。以下の写真を見ていただきたい。彼らの自然体なスタイルに目を奪われるだろう。

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公園で休日を過ごす男性

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さっそうと赤い自転車に乗る男性

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オフィスに向かう女性

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街をサイクリングする女性

ホワイトデニムに合わせて、公園で穏やかな休日を過ごす男性、黒のトレンチコートの裾をなびかせながら、赤い自転車に乗る男性。花柄のワンピースに合わせてオフィスに向かう女性、ブルーのボーダーTシャツとデニムで街をサイクリングする女性……。それぞれが、シーンに合わせて自由自在にトレンチコートを楽しんでいる。

今回は、トレンチコートを通じて世界中をつなぐバーバリーの取り組みや、長い歴史をもとにした新しい挑戦、そして「永遠の定番」を支える職人たちのクラフトマンシップを紹介する。

■トレンチコートで世界中をつなぐ「ART OF THE TRENCH」

冒頭に紹介した写真は、バーバリーが2009年に立ち上げたデジタルプラットフォーム「ART OF THE TRENCH(アート・オブ・ザ・トレンチ)」に掲載されている。

世界中から寄せられたトレンチコート・スタイルを紹介する「ART OF THE TRENCH」。第1弾では、写真家スコット・シューマンとコラボし、数カ月に渡りロンドンやミラノ、ヴェネツィア、ベルリン、ニューヨーク、サンパウロと世界の各都市をめぐり、撮影が行われた。2014年現在、上海やソウルなど、アジアのポートレートも充実している。

Photo gallery「ART OF THE TRENCH」画像集 See Gallery

チーフ・エグゼクティブ兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのクリストファー・ベイリー氏は「トレンチコートを着る人には、それぞれのストーリーがあります。世界中の人々がその物語やイメージを共有し、個人のスタイルや思いを表現し合えるのです」と話す。

ユーザーは、お気に入りをマーキングしたり、自らのポートレートを投稿したりすることが可能だ。一般の人たちによるライブ感溢れるポートレートは、FacebookやTwitter、TumblrといったSNSで共有され、世界中から「とっても素敵」「かっこいい!」などの反響が寄せられている。

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トレンチコートを着る少女

■「永遠の定番」トレンチコートの歴史と伝統

男女を問わず、お年寄りから子供まで幅広く愛されているバーバリーのトレンチコート。その起源は、第一世界大戦にまでさかのぼる。1879年、バーバリーの創立者のトーマス・バーバリーが「ギャバジン」素材を開発。高密度に織り込まれたギャバジンは、通気性と撥水性と兼ね揃えており、英国将校がその利便性に着目したことで、機動性に富む軽量なトレンチコートが誕生した。

バーバリーのトレンチコートは、古くは南極点到着レースで知られるノルウェーの探検家ロアルド・アムンゼン大佐など、多くの探検家が採用。今に至るまでロイヤルファミリーをはじめ、世界で活躍する名優やアーティストたちに愛用されている。

世界の「永遠の定番」となったトレンチコート。その代名詞でもあるバーバリーは2014年秋、今までのモデルを集約させ、新たに「ヘリテージ・コレクション」を展開している。

■歴史を集約させた新たな正統「ヘリテージ・コレクション」

「ヘリテージ・コレクション」では、カラーをバーバリーの長い歴史のなかで愛されてきた「ハニー」「ストーン」「ブラック」の3色に限定。また、過去の膨大なアーカイブをもとに、ベルトのステッチや肩章を統一したという。丈は「ショート」「ミドル」「ロング」の3種類。身頃も「スリム」「モダン」「クラシック」の3スタイルの規格に揃えた。

身頃は、スリムな「サンドリンガム」、モダンなニュートラルのサイズ感の「ケンジントン/ウィルトシャー」、そしてゆったりとしたクラシックな「ウェストミンスター」。それぞれのスタイルに、イギリスを象徴する地名が冠された。

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(左)ブラック「サンドリンガム」ショート(中)ハニー「ウェストミンスター」ロング(右)ストーンのミドル

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(左)ブラック「ケンジントン」ショート(中)ハニー「ウェストミンスター」ロング(右)ストーン「サンドリンガム」ミドル

そして、チェックのライナー(裏地)には、スタイルの地名とともに「Made in England」と刺繍されたラベル(画像)がつけられている。そう、バーバリーのトレンチコートを支えるのは、今も変わらずイギリスの熟練職人なのだ。

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地名と「Made in England」が刺繍されたラベル

■100に及ぶ工程で職人が生み出す、唯一無二のフォルム

バーバリーのトレンチコートに欠かせないギャバジンは、イギリス国内の工場で生産されている。最高級の長い綿をもとに1センチ辺り100本以上の糸を織り合わせる生地は、最新の技術によって撥水性も向上。色味についても最終工程まで2回以上目視し、検査しているという。

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工場で生産されるライナー(裏地)

無事に検査をクリアしたギャバジンは、イングランド北部のウェストヨークシャー州キャッスルフォードの工場へと運ばれる。バーバリーのトレンチコートは、全てキャッスルフォードの職人によって作られているからだ。

トレンチコートには、100に及ぶ技術工程があり、雨水が流れ落ちるようにデザインされた背面上部のストームシールド、乗馬やランニングにも対応した後ろ身頃のプリーツなど、昔ながらのディディールが大切に受け継がれている。

職人たちが一つひとつ丁寧にこなす工程のなかで、最も熟練した技術が求められるのは“襟付け”の工程だ。首まわりに沿って緩やかなカーブをつけるために、襟の長さに合わせて180以上のステッチで手縫いするという。

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180以上のステッチで手縫いする“襟付け”

ライナー(裏地)のバーバリー・チェックは、柄に合わせて左右対称に配置される。とくに襟の裏地は、チェックの柄が襟で美しく交差するように、45度の確度で斜めに縫い合わされている。決して機械では真似できない職人技だ。

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バーバリー・チェックの柄は左右対称に美しく配置

バーバリーが大切にしてきた唯一無二のトレンチコートは、こうして誕生する。世界中の多くの人に愛される「永遠の定番」を支えるのは、伝統的な手法を守り続ける、職人のクラフトマンシップであった。

【関連リンク】

アート・オブ・ザ・トレンチの詳細はこちら

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