キングカズ「川淵チェアマンは、あのときの渡辺恒雄のような目をしている」Jリーグ設立時を振り返る

日本バスケットボール協会の川淵三郎氏が「ワイドナショー」に出演し、JBAの問題は「もうゴールは見えている」と語った。三浦知良選手もビデオ出演し、川淵氏の思い出を語った。
時事通信社

日本バスケットボール協会(JBA)の川淵三郎氏(78)が6月28日、フジテレビ系で放送された「ワイドナショー」に出演し、JBAの問題は「もうゴールは見えている」と語った。

JBAを巡っては、日本のバスケットボール最高峰リーグが、ナショナルリーグ (NBL)とターキッシュエアラインズbjリーグ (bjリーグ)の2つに分裂していることを国際バスケットボール連盟(FIBA)が問題視。2014年11月にJBAに対して資格停止処分の制裁を課していた。

その後、川淵氏が2015年1月にJBAの改革を主導するタスクフォースのチェアマンに就任。制裁解除のために奮闘し、6月19日には、FIBAによる制裁が解除されることが明らかになったと発表された

番組ではNBLとbjリーグがチーム名にスポンサー企業の名前を入れるかどうかなどで協議が行き詰っていたところに、川淵氏が大なたを振るい体制を変更したことなどが紹介された。“キングカズ”こと三浦知良選手(48、横浜FC)もビデオ出演し、22年前のJリーグが発足した時に、企業名を入れるかどうかを巡っての対立があったことを次のように振り返った。

「(読売ウェルディの)渡辺恒雄さんは『企業名を出させろ』という強い気持ちがあって、かたや川淵さんは全体のバランスを見て、地域密着型のサッカークラブを作っていきたいということで、断固立ち向かっていった。

川淵さんは、チェアマンになったばっかりでしたが、渡辺さんは財界の“ドン”ですからね。こんなこと言っていいのかわからないですけど。川淵さんはそれに立ち向かっていた。

どちらも正解と間違いっていうのはないと思うんですけどね。でも川淵さんは『Jリーグっていうのはこういう方向で行く』というのを、強い意思を持って立ち向かっていったんで、僕らは非常に心強かった」

カズは、JBAで改革を進めている現在の川淵氏についても、「鋭い目が戻ってきている」と指摘。「本人は嫌かもしれないですけれど、20数年前の渡辺恒雄のような目をしている」と表現した。

川淵氏はJリーグのチーム名に、企業名を入れなかったことについて、「当時はプロ野球が断然人気があった。しかし、プロ野球のように、例えば『浦和レッズ』の名前に三菱自動車の名前を入れたら、トヨタやホンダ、日産、マツダの人は応援しません。その企業周辺の人しか応援しなくなるという過去の歴史があるから、企業名を入れるのは絶対避けたかった」と説明。

また、渡辺氏のことについては、「当時は、目の前からいなくなればいいと思うほど嫌っていたが、現在は仲良くなった」と話し、「渡辺さんが『独裁者・川淵』『空疎な理念』などと発言するたびに、僕がテレビ局でいろいろ説明するので、結果、良いPRになった。Jリーグの恩人だったな、と思えた」と述べた。

川淵氏はJBAの問題について「もうゴールは、とっくに見えている」とコメント。「バスケットボールの次はハンドボールやホッケー、バレーボール」などと語り、スポーツ界の改革に意欲を見せた。

【関連記事】

注目記事