アメリカの自治領プエルトリコのアレハンドロ・ガルシア知事が、約720億ドル(約8兆8000億円)の債務を返済できないと宣言した。ハフポストUS版などが6月29日に伝えた。デフォルト(債務不履行)の可能性が高まっており、返済繰り延べなどの金融支援を債権者に要請しているという。
アレハンドロ・ガルシア知事はインタビューで「債務を支払うことはできない」と述べ、返済のやりくりは限界に来ていると強調。ヘッジファンドら債権者と「痛みを分かち合う」とし、返済条件の緩和などを求める考えを示した。
米国ではミシガン州デトロイト市が2013年に財政破綻した例がある。一方、米自治領には連邦破産法の適用が認められていないため、仮にデフォルト(債務不履行)すれば債務減免などをめぐる手続きが複雑になり混乱も予想される。
(プエルトリコが債権者に返済繰り延べを要請 米紙報道 - 産経ニュース 2015/06/30 11:27)
プエルトリコは失業率が全米平均の2倍で、債務負担はカリフォルニア州やニューヨーク州に次ぐ規模。プエルトリコは130億ドルの一般財源債があり、7月1日には6億3000万ドルの支払期限を迎える。
プエルトリコ行政府の新たな顧問に起用された国際通貨基金(IMF)元筆頭副専務理事のアン・クルーガー氏が、プエルトリコは「債務超過」状態にあり、近く財政資金が底を突くと指摘していた。これが、ガルシア知事の発言の引き金となった。
プエルトリコは地方自治体ではないため、アメリカの破産法に基づく債務再編を実施する資格がない。
国際金融市場は現在、ギリシャのデフォルト危機再燃に揺れており、プエルトリコの行方によっては混乱に拍車が掛かる懸念もある。
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