ニューヨークにラーメンブームを起こした人気ラーメン店「モモフク・ヌードル・バー」の創業者デビッド・チャン氏は、チップに反対のようだ。
チャン氏はヌードル・バー以外にも、人気スイーツ店「ミルク・バー」などを経営しており、ニューヨークではよく知られた有名人だ。
彼が、マンハッタンに新しくオープンしたレストランが「ニシ」だ。チャン氏はニシの料理の値段を、かかる実費にサービス料を加えた金額で設定した。
チップは一切貰わない。
その理由を、チャン氏は自分の会社が発行するフード雑誌「ラッキー・ピーチ」のインタビューでこう語る。「副料理長やコック、洗い場を担当する人たちにきちんとした生活費を払ってあげたいからです」
チップ廃止を決めた大物レストラン経営者は、チャン氏が初めてではない。ニューヨーク市で数々の人気レストランを経営する「ユニオンスクエア・ホスピタリティー・グループ」の最高責任者ダニー・メイヤー氏は2015年10月、市内にある13店舗のレストランすべてでチップを廃止すると発表した。また、ベジタリアンシェフのアマンダ・コーエン氏は、2015年2月にリニューアルオープンしたマンハッタンの野菜ビストロ「ダート・キャンディー」で、チップに代えて一律20パーセントのサービス料を導入した。
チップ廃止についてチャン氏はこう説明する。
メニューの載っている価格には、料理にかかる人件費が反映されていません。2000年に私が働いていた時、時給はおそらく10ドルほどでした。その後インフレで物価は上がりましたが、コックの賃金は変わっていません。これは大きな問題です。私たちは会社一丸となって成長し、多くの人たちに私たちの料理を食べてもらいたいと思っています。チップを廃止することで、それを実現できるかもしれません。もしうまくいかなければ、元のやりかたに戻ればいいだけです。
チップという習慣が広まったのは1930年代だ。世界恐慌でレストランへの客足が減り、外食をするのはほとんど富裕層だけになってしまった。資金繰りが苦しくなったレストランオーナーたちはウェイターの賃金をカットし、その分を裕福な客からチップをもらうことで穴埋めしたのだ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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