2014年の都知事選と衆院選に出馬した元航空幕僚長、田母神俊雄(たもがみ・としお)氏(67)の政治資金の一部が使途不明になったことに関して、東京地検特捜部は3月7日、業務上横領容疑で都内の資金管理団体の事務所などを家宅捜索した。共同通信などが報じた。
NHKニュースによると、捜索を受けたのは、東京・千代田区にある資金管理団体「田母神としおの会」の事務所や田母神氏の自宅などの関係先。この事務所は2014年2月の都知事選の前に設立されたが、全国の支援者から集めた1億3265万円のうち、5000万円余りの支出が使途不明金になっていた。
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この問題で田母神氏は2015年2月の会見で「元会計責任者が飲食店で私的に使い、弁済を求めている」などと説明したが、都知事選で選対本部長を務めたテレビ番組制作会社「日本文化チャンネル桜」の水島総(さとる)社長(66)ら選挙スタッフが2015年12月、「田母神氏本人や事務局長も関わっていた」と告訴状を提出し、東京地検特捜部が捜査を進めていた。
水島社長は産経新聞の取材に「選挙に関わったスタッフが勇気をもって内部告発した。不正は許してはいけない。東京地検特捜部には使途不明金の全容を解明してほしい」と話したという。
■田母神俊雄氏はどんな人?
朝日新聞デジタルなどによると、田母神氏は福島県郡山市出身で、防衛大学卒業後、航空自衛隊に入隊した。
統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを歴任した後、2007年の第1次安倍政権下で航空自衛隊トップの航空幕僚長に就任したが、翌年に「我が国が侵略国家だというのはぬれぎぬだ」と主張する論文を発表し、更迭された。その後は保守派の論客として活動している。
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