元プロレスラーのハルク・ホーガンさんが、アメリカのニュースサイト「Gawker」に自身のセックスシーンを撮影した動画をネット上に公開されたことでプライバシー侵害を訴えた訴訟をめぐり、ネット決済サービス「PayPal」の共同創業者が訴訟費用を提供していた件についてAmazonの創業者ジェフ・ベゾス氏が「復讐は無意味」と警告した。
この訴訟は3月に、フロリダ州で行われた陪審員裁判でGawker側に1億4000万ドル(約154億円)の賠償を命じ、Gawker側が控訴している。
法廷で証言するハルク・ホーガンさん
ホーガンさんを支援したPayPal創業者のピーター・ティール氏は、1000万ドル(約11億円)の訴訟費用を提供したほか、Gawkerを対象にした他の訴訟も支援している。
Gawker訴訟を支援する理由として、ティール氏は5月25日、ニューヨーク・タイムズのインタビューで「Gawkerが運営するメディアで、自分が同性愛者であることを記事に取り上げられたことがきっかけだ」と語った。
彼は、Gawkerにターゲットとされた人々が「とても苦痛で身のすくむ思い」をする記事を公開してきたと述べた。「私は応戦する価値があると思ったのです」
こうしたティール氏の言動に対し、Amazonのジェフ・ベゾス氏は、「有名人は批判に対して鈍感になるべきだ」と述べている。
「君が復讐を狙うのなら2つの墓を掘るべきだ。一つは君自身のためだ」。ベゾス氏は、5月30日夜にロサンゼルスで行われたイベントで、中国の哲学者による格言を引用した。
ベゾス氏は、ティール氏個人またはある特定の話に向けて言っているわけではないと強調しながら、「有名人として、自分自身についての気に入らない話に対する最高の防御は、鈍感になることだ」と付け加えた。「批判に耐えられないのなら、何か新しいことや面白いことはしないでほしい」と、ベゾス氏は語った。
ピーター・ティール氏は、Gawkerに対して訴訟を起こすためにおよそ100万ドルを費やして弁護士を雇った。
ベゾス氏は、アメリカで言論の自由が侵害されていることを警告した。「美しいスピーチは、保護などいりません」と、彼は述べた。「保護が必要なのは醜悪なスピーチです。それが大事なことなのです」。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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