善光寺(長野市)の天台宗側のトップである小松玄澄・貫主(かんす=82)が、大勧進に務める女性職員に不当な人事異動や差別的な発言をしたとして傘下の寺院や信徒団体から辞任を求められている問題で、小松貫主は7月12日に大勧進で記者会見し「全くの事実無根で、辞任の意思はない」と述べた。産経ニュースなどが伝えた。
善光寺は、天台宗の「大勧進」と浄土宗の「大本願」の2寺院が運営。今年6月、大勧進の傘下にある天台宗25院でつくる団体「一山」や信徒団体がそれぞれ、小松貫主に辞任を求める書面を提出した。
一山などによると、小松貫主は60代女性職員について差別的な発言を周囲にしたほか、セクハラや不当な人事異動をしたとしている。小松貫主は「(女性との面識は)ない。身の潔白を示していきたい」と述べた。
(女性職員への差別発言は「事実無根」 辞任要求に「身の潔白」強調 長野・善光寺住職 - 産経ニュースより 2016/07/13 07:17)
信濃毎日新聞によると、小松貫主は会見で、女性2人について「この1、2年、話したこともない。(差別、セクハラ)発言もしていない」と述べた。異動については「適材適所で、規則通りの異動。辞令交付時も不満は出なかった」と説明したという。
また、小松貫主の反論に対して、大勧進の住職らの一部が13日に会見を開き、比叡山延暦寺(滋賀県)で天台宗を統括する宗務総長に小松貫主の懲戒処分を求める申告書を提出する考えを明らかにした。
善光寺は無宗派だが、天台宗の「善光寺大勧進」と浄土宗の「善光寺大本願」の2つの寺院で共同管理されている。各宗派側から一人ずつ住職を置いており、小松貫主は天台宗側の住職。
関連記事