アメリカ・ネバダ州ラスベガス市は2016年12月に、公共の建物や街灯など市の施設すべての電力を100%再生可能エネルギーによってまかなうようになった。
「ラスベガス市は、グリーンソース(再生可能エネルギーによる電力を購入すること)からすべての電力を得ていると誇りを持って言える、世界でも数少ない街です」と、ラスベガスのキャロリン・グッドマン市長は2016年12月19日の記者会見で語った。
このプロジェクトは、ラスベガス市が10年近く取り組んできた取り組みの成果だ。ラスベガスの電力会社「NVエナジー」社と提携し、100%再生可能エネルギー電力化がさらに加速した。ネバダ州の南東端で巨大ソーラーパネル「ボルダ―・ソーラー1」が稼働し始め、地熱発電所や市内各所のソーラーパネルなどを使用して、現在、市の公共施設の電力はすべて再生可能エネルギーでまかなっているが、個人住居や民間企業の施設はまだ進んでいない。
ボルダ―・ソーラー1は、電力会社「サザンパワー」社が所有しており、その電力はNVエナジー社が買い取るか、市の公共サービスの電力として使われる。
地元紙「ラスベガス・レビュー・ジャーナル」によると、再生可能エネルギーへの転換は2008年にスタートし、それ以来、市は年間約500万ドル(約5億8000万円)を節約し、エネルギー消費を30%以上削減したという。
ラスベガスは、今では再生可能エネルギーだけに頼るアメリカ最大の都市となった。 トランプ次期政権は現在進展中の環境政策を後退させようという動きがあるが、それでも温室効果ガスを排出しないエネルギーへの転換に熱心な他の都市に対して、ラスベガスは道を開く手助けをしている。
2016年11月には、48の市長がドナルド・トランプ次期大統領への公開書簡に署名し、連邦政府が支援を打ち切ったとしても、それぞれの市は気候変動対策を進めていくと宣言した。
公開書簡(抜粋)は次の通り。
我々、それぞれの市は、温室化ガス排出の削減、気候変動活動、定期的な進捗報告、習得した情報の共有、お互いに責任を課すなどの意欲的な目標に力を入れている。
トランプ氏には大統領として、民衆が強く望んでいるこれら自治体の構想を拡大し、加速させる権限が与えられる。
エネルギー安全保障を達成するのに必要な再生可能エネルギーを拡大させる方向に指揮するよう強く願う。気候変動問題を提起し、新しい製造、エネルギー、建設ブームをアメリカに起こしてほしい。
サンフランシスコ、カリフォルニア州サンノゼ、ミシガン州グランドラピッズをはじめ、その他多くの都市が2035年までに100%再生可能エネルギーを使用できるよう目指している。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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