アメリカ・テキサス州ヒューストンの空港で4月15日、結婚式を挙げるためユナイテッド航空でコスタリカへ向かおうとしたユタ州のカップルが、連邦保安官によって旅客機から降ろされた。テキサス州ヒューストンの地元テレビ局「KHOU-TV」が報じた。
カップルのマイケル・ホールさんとアンバー・マクスウェルさんがKHOU-TVに語ったところによると、2人はヒューストン発コスタリカ・リベリア行きのユナイテッド航空1737便に搭乗したところ、予約した席に男性が横になり、眠っていたという。2人は男性を起こしたくなかったため、3列前の座席に移った。その便に搭乗した客は自分たちが最後で、ほかにも空いている列や座席がいくつかあったので、席を変更しても支障はないだろうと思った、とホールさんは話した。
マイケル・ホールさんとアンバー・マクスウェルさん
不運なことに、もともとエコノミークラスの席を予約していたこのカップルが移動した先は、「エコノミー・プラス」の席だった。つまりユナイテッド航空からすれば、座席をアップグレードしてもらわなければならない。
ホールさんによると、2人が座席に座るとすぐに乗務員がやってきて、「予約席通りの席に座っているか」と尋ねられた。2人は事情を説明し、アップグレードを希望したが、乗務員は予約通りの席に戻るよう指示した。2人が不満を訴えると、連邦保安官が乗り込んできて、飛行機から降りるよう命じたという。
ユナイテッド航空はハフィントンポストUS版の取材に対して声明を発表し、2人は「座席のアップグレードを繰り返し試みた」ほか、アップグレードにかかる追加料金を支払おうとしなかった、と述べた。
「お客様はエコノミー席のチケットをお持ちでしたが、エコノミープラスに移動しようとされました」と、ユナイテッド航空は述べた。「差額料金をお支払いいただければ移動も可能だとお伝えしましたが、断られてしまいました。また、自分の座席にお戻りくださいとの乗務員の指示にも従おうとしませんでした」
ユナイテッド航空によると、ホールさんとマクスウェルさんは飛行機から降りるようにという指示に従ったが、その要請をしたのはスタッフの一員であって、連邦保安官ではなかったという。
また、2人にはヒューストンにあるホテルの割引価格も提示し、17日朝の便を予約し直したと説明した。
ホールさんはABCニュースに、ユナイテッド航空の態度はそんなに親切ではなかったと語った。
「全部、都合よく言っていますが、実際には何もしてくれませんでした」と、彼はABCニュースに語った。「チケットに付箋を貼って、別の便に乗るため明日の朝また来るようにと言われました」
ユナイテッド航空は4月9日、シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きの3411便で、医師デビッド・ダオさんが購入していた席を同社の従業員に譲らなかったため警察に通報し、ダオさんを強制的に機内から引きずり出した。ダオさんは、患者を診るために帰宅しなくてはならないのでフライトの変更を拒否していたと語った。引きずり出された時、鼻を骨折し、脳震とうを起こしたという。
・4月9日 ユナイテッド航空がオーバーブッキングの乗客を引きずり下ろす
・4月10日 ユナイテッド航空CEOが従業員向けのメールでスタッフを擁護
・4月11日 ユナイテッド航空CEOがメールの件を謝罪
・4月12日 客を引きずり出す前の映像が新たに公開
・4月13日 乗客デビッド・ダオさん、鼻骨折、前歯2本折れていた
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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