サッカー・アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の試合で、韓国・済州と浦和レッズとの間で起きた乱闘騒ぎの余波が収まらない。
アジアサッカー連盟(AFC)によるチームや選手への罰金・出場停止処分に対して、済州がスイスのスポーツ仲裁裁判所(CAS)への申し立てを検討していると、韓国・東亜日報が報じた。
問題となっているのは、5月31日に埼玉スタジアムで開かれたACLの決勝トーナメント1回戦の第2戦。延長後半、済州の選手がベンチからグラウンドに走り込み、阿部勇樹選手に肘打ちを加えたほか、試合後も小競り合いに発展。浦和DFの槙野智章選手が済州の選手に追い回され、ロッカールームに逃げ帰るなどの騒動となり、済州は試合後も含め3人が退場処分となった。
AFCは6月9日、問題行為のあった済州の3選手に対して、最大6カ月の資格停止や、同罰金2万ドル(約220万円)などの処分とした。
選手が乱闘に加わったことから、試合の評価をおとしめたとして、済州に4万ドル(約440万円)の罰金、さらに浦和レッズも罰金2万ドル(約220万円)を科した。
韓国・聯合ニュースによると、これに対して済州は、処分を不服として異議申立てることを決めた。
AFC側に懲戒理由を尋ねる文書を送付し、13日のデッドラインまでに返事がない場合は、控訴の手続きも辞さない考えを示している。
控訴が通じない場合は、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する案も検討しているという。済州の関係者は東亜日報の取材に対して、「できる最善の努力を尽くすつもりだ。浦和、そして審判陣なども尊重されなければならないが、私たちも尊重される権利がある。選手たちの失墜された名誉も取り戻してやらなければならない」と話した。
済州は、処分自体を無効を求めるというよりは、処分の「水準を下げる」狙いがあるという。
一方浦和も、処分内容についてAFCに質問状を送付。クラブ幹部は「何が倫理規定に抵触したのか、説明が欲しい」と話している。