進化の過程で光合成をやめたホンゴウソウ科の植物の新種を、神戸大などの研究グループが沖縄県の石垣島で発見した。同島の於茂登岳(おもとだけ)の周辺に自生することから、「オモトソウ」と命名された。7月25日、植物分類学の国際誌「Phytotaxa」のオンライン版に論文が掲載された。
オモトソウの写真(神戸大学の公式サイトより)
ほとんどの植物は、「光合成」をすることで知られている。太陽光のエネルギーによって二酸化炭素と水から炭水化物などの有機物を合成し、成長に必要な栄養分を作り出すことだ。
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その一方で、光合成をせずに、土の中の菌に寄生して暮らすタイプの「菌従属栄養植物」も世界で800種ほど確認されている。このうちホンゴウソウ科の植物は、世界で50種ほどの報告があると朝日新聞デジタルは報じている。
神戸新聞によるとオモトソウは、2016年10月、石垣島の於茂登岳のふもとで、研究グループの京都大農学部、西岡龍樹さん(21)が発見した。同科のホンゴウソウと似ていたが、雄花の先端に6つの球状の突起が確認されたことで、新種と判明した。地上に出ている部分の長さは5~10センチ。直径約2ミリの紫色の花をつけるのが特徴で、同島の固有種の可能性もあるという。
研究グループの神戸大学大学院の末次健司特命講師は「植物が光合成をやめるという究極の選択をしたメカニズムを明らかにしたい」と意欲を見せている。
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