高校スポーツの過密な大会日程が問題視されている。
1月8日に閉幕した全国高校サッカー選手権大会で、勝ち上がったチームが連日連戦となる日程について、準優勝した流通経済大柏の本田裕一郎監督や日本代表DF長友佑都が「選手優先で考えてほしい」などと苦言を呈している。
今大会は、2017年12月30日から18年1月8日の日程で開催。2回戦と3回戦、準々決勝と準決勝はそれぞれ休息日を設けずに試合が行われた。2回戦から登場した流通経済大は、1月2日(初戦)〜8日(決勝)の7日間で5試合を戦うハードスケジュールだった。
この日程に対して同校の本田裕一郎監督は、試合後の記者会見で次のように訴えた。
「高体連は"プレーヤーズファースト"を掲げているのだから、運営最優先ではなく選手最優先で考えてほしい。人間の体は24時間開かないと回復しない。皆さんご存知なのに、連戦連戦になっている。そういうのは私たちの時代で終わりにしないといけない。96回の歴史で何を学んだか、何が進化したのかを検証しないといけない」
かつて同大会を経験した長友もTwitter上で言及。「決勝に上がった2校の日程見て驚いた。1週間で5試合。。」と驚いた様子を見せ、「いろいろな事情はあるんだろうけど、もう少し選手ファーストで考えてほしいな。選手が潰れてからでは遅いよ」と過密な日程を問題視した。
過密な日程、バスケやバレーでも
過密日程は、サッカーに限らず、他の高校スポーツでも起きている。競技内容や1試合にかかる負担が異なるため、一概には比較はできないが、選手に負担となるスケジュールが蔓延しているようだ。主なスポーツの大会日程を以下に紹介する。
■バスケ 5日間で5試合(6日間で6試合の可能性も)
・第70回全国高等学校バスケットボール選手権(ウィンターカップ)
・試合日程:2017年12月23日〜29日(8日間)
一部のチームを除いて、1回戦から決勝まで連日連戦となるスケジュールが組まれている。決勝・3位決定戦に臨んだ4チームはいずれも2回戦から登場し、25日〜29日の5日間、毎日試合があった。1回戦から出場したチームが準決勝まで勝ち抜くと、6連戦となる可能性もあった。
■野球 3回戦以降は4連戦
・第99回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)
・試合日程:2017年8月8日〜23日(14日間)
1・2回戦は日程に余裕があるが、3回戦から決勝までの4試合は、シード校以外は4連戦、シード校でも3連戦となる。
■バレーボール 4日間で5試合
・試合日程:1月4日〜8日(5日間)
1回戦から決勝まで毎日試合があった上、3回戦と準々決勝は同じ日に実施された。決勝に進んだチームは、4日間で5試合を戦った。
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もちろん、試合と試合の間に休息日を設けている競技もある。
■ラグビー 中1日以上の休息日あり
・試合日程:12月27日から1月8日(13日間)
中1日以上の休息日を設けており、連戦となるチームはなかった。決勝に進んだチームは、9日間で5試合だった。