経済危機が深刻化するベネズエラの一部動物園で、餌が足りないために飼育する動物が殺され、別の動物の餌にされる事態が起きている。AFP通信が2月28日に報じた。
ベネズエラでは2013年に大統領に就任したニコラス・マドゥロ氏の政策がうまくいかず、急速に経済状態が悪化。ロイター通信によると、経済を支える原油産業が低迷し、インフレ率も年4000%を超えている。
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AFP通信によると、ベネズエラ西部のスリア州にある動物園で、ライオンやベンガルトラ、ピューマなどの餌となる肉が不足。猛獣たちの体重は激減し、極度の栄養失調になっているという。
動物園側はこうした事態に対処するため、飼育していたアヒルや豚、ヤギを殺し、餌として与えたという。
一方、この動物園では飼育動物が盗まれる事件も起きている。肉が入手できない人たちによる犯行とみられ、2016年だけで少なくとも40匹の動物が盗まれたという。
同様の事件は他の動物園でもあり、メキシコの俳優で慈善家ラウル・ジュリア=レヴィはマドゥロ大統領に向けて「ベネズエラのすべての動物園の動物を救うために、基金を設立したい」とツイートした。