アメリカ・カルフォルニア州サクラメントで3月31日夜、黒人男性が警官に射殺された事件の抗議デモで、現場にいたパトカーが急加速し、参加者をはねた。
午後8時40分ごろ、デモの現場にいたサクラメント郡保安官事務所のパトカーが急加速し、参加者のワンダ・クリーブランドさんをはねた。その瞬間の動画が公開され、サクラメント郡保安官事務所も事故があったことを認めた。
目撃者は地元紙サクラメント・ビーに、車はそのまま現場から走り去ったと証言した。
腕と後頭部に打撲を負ったクリーブランドさんは病院に搬送されたが、その後退院した。
「運転手は一度も停車しませんでした」と、クリーブランドさんはサクラメント・ビーに語った。「ひき逃げです。私がそんなことしたら逮捕されますよ。人の命をなんとも思ってないのか」
■ 保安官事務所「車両が傷つき、ガラスは粉々に」
保安官事務所は4月1日、声明で内部調査を行うと発表した。カリフォルニア州のハイウェイパトロールも調査を進めている。
保安官事務所は声明で、保安官代理が運転する2台のパトカーが抗議デモの現場近くで運転していた時、事故が起きたと述べた。
「保安官代理の1人が運転していた時、路上に出てきた抗議デモ参加者とパトカーが衝突した。パトカーが速度を落として運転していた時に、衝突が起きた」
「一連の出来事が起きている間、保安官事務所の車両は傷つき、へこみ、リアウインドウのガラスは粉々になった。車両の損害は歩行者を巻き込んだ衝突の結果起きたものではなく、群衆の破壊行為が原因である」
ハフポストは保安官事務所の広報担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。
■ クラークさんは背中に7発の銃弾を受けていた
警官に射殺された黒人男性ステフォン・クラークさん(22)は3月18日夜、丸腰なのにもかかわらず自宅の裏庭で銃撃された。2人の警官はクラークさんが持っていたスマホを銃と見間違え、それぞれ10発発砲していた。
公民権運動家のアル・シャープトン師は29日、クラークさんの葬儀でこう述べた。
「我々に正義がもたらされるまで、ステフォン・クラークの名前は決して忘れさせない。殺された彼は、私たちの誰かだったかもしれないからだ」
ハフポストUS版より翻訳、編集しました。