アメリカのファッションブランドJ.Crew(Jクルー)が、「I am a feminsit too.(私もフェミニスト)」とのメッセージがプリントされた男児向けのTシャツを発表し、物議を醸している。
このTシャツは、ファッションを通じて男女平等や銃規制など社会的なメッセージを発信するアパレルブランド、Prinkshop(プリンクショップ)とのコラボレーションの一環で製作・販売された。
販売価格は16.50ユーロ(約2100円)で、売上の10%が女子教育を支援する国連基金「ガールアップ」に寄付されるという。
男の子がTシャツを着た写真がJクルーの公式Instagramに投稿されると、コメント欄には賛否両論の意見が飛び交った。
批判的なコメントを寄せる人は、まだ成熟していない子供にメッセージ性を含んだスローガンTシャツを着させることに懸念を示した。「子供たちは『フェミニスト』という言葉の意味を理解するにはあまりに幼すぎる。子供は子供でいるべきで、自分の政治的なスタンスを表明する看板ではない」などの声が上がった。
一方で、「このTシャツ、大好きです」などJクルーを賞賛する声もある。「子供たちを会話に参加してもらうことは大事です」とした上で、「これは権力の話でもないし、政治的なイデオロギーを子供たちに押し付けているわけでもない。これは人権の話だ」などと訴えるコメントも書き込まれた。
議論はTwitter上にも広がり、カナダ人の人気ユーチューバー、リリー・シンは、「悲しい。あらゆることに攻撃的になるのって疲れない?」とツイートした。
2017年、社会的なメッセージがプリントされた「スローガンTシャツ」がファッション業界でブームになった。火付け役となったのは、女性クリエイティブディレクターのマリア・グラツィア・キウリ率いるDior(ディオール)だ。
2017年春夏コレクションで、「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS(男も女もみんなフェミニストでなきゃ)」との文字が胸にプリントされたTシャツを発表。さらに2018年春夏コレクションでは、「WHY HAVE THERE BEEN NO GREAT WOMEN ARTISTS(なぜ偉大な女性芸術家はいなかったのか?)」と訴える新たなTシャツがランウェイの先頭を飾った。
Jクルーの「フェミニストTシャツ」も、ブランドとして明確なメッセージを伝えるディオールなどにインスパイアされて誕生したとみられる。
賛否両論の意見が噴出しているが、公式ウェブサイトでは一部のサイズが売り切れになった。同社の担当者はMarieClaire.comに対し、「Jクルーは平等を支持し、そして、Jクルーはすべての人のためにあります」と回答している。