ホームレスの男性、電車内でひげそりをして批判されるが... 背景には「ある理由」があった

「アンソニー、がんばれ!」の声も寄せられています。

アメリカの電車内で撮影された、ある動画が話題になっている。

ニューヨーク発の通勤電車内で、ホームレスの男性がひげそりをし、同じ電車に乗っていた人がその様子を撮影した。この動画がSNS上で拡散し、批判的なコメントが集まった。しかし、電車でひげそりをしていた「ある理由」がわかると、男性を応援するコメントで溢れた。

電車内でひげそりをしていた「理由」とは?

ワシントンポストによると、56歳のアンソニー・トーレスさんは、数週間前に引ったくりに遭い、ホームレス用のシェルター(避難所)に駆け込んだ。しかし、そのシェルターにも空き場所がなくなり、ニュージャージー州アトコに住む兄弟の家に行くことにした。助けを求めて兄弟に電話をかけ、電車のチケットを購入するためのお金を送ってもらったという。

9月13日夜、ニューヨーク市とニュージャージー州を結ぶ通勤電車に乗車。数日間シャワー無し、ひげも剃れておらず「自分が不潔に感じた」というアンソニーさんは、兄弟とその家族にせめても「見苦しくない姿」でありたいと思い、電車内でひげそりを始めた。

電車に乗っていた人がその様子をビデオに撮り、ツイッターに投稿すると、数万件のリツイートやいいねが集まった。しかし、それはアンソニーさんを侮辱するものばかりで、「不快」「気持ち悪い人」などのコメントが多く寄せられた。

その数日後、AP通信が初めてこの出来事を報じ、アンソニーさんががひげそりをしていた理由が「家族に会うため」だとわかると、状況は一変。侮辱したことを謝罪したり、応援するコメントが集まった。

さらに、アドボカシー(社会的弱者を擁護する)企業で働く女性がアンソニーさんを支援するクラウドファンディングのページも開設。

ページ内には「アンソニーさんがまた(社会に)復帰できるよう、お金を集めています」と綴られており、寄付は日本時間9月20日午後3時の時点で、すでに3万6000ドル(約400万円)が集まっている。コメント欄は「アンソニー、がんばれ!」「彼の人生が、これからはもっと幸せになりますように」など、温かい言葉で溢れている。

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