膵臓がんと告知されたお母さんの日記(第12話:「がんになって、生きている意味がわかった」)

とにかく目の前の子供を毎日毎日精一杯大事にするしかない!
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不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平です。妻と小学生のこどもを持つ、一般的な37歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと......相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

子どももいて、地元には親もいる。仕事やお金...... 心配は尽きません。 そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

キャンサーペアレンツのFacebookページで活動情報をアップしていきますので、「いいね」をお願いします。

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西口洋平

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膵臓がんのナオさん。

2015年6月にがん告知を受け、手術や抗がん剤治療を経験。2016年に再発し、抗がん剤、放射線など様々な治療を行うものの、現在は無治療で生活。小学校一年生の息子さんと旦那さんの三人暮らし。

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ナオさんがキャンサーペアレンツに登録したのは、2016年9月。

発信するのは苦手とのことで、キャンサーペアレンツに登録するまではブログや日記などを書いたこともなく。そんなナオさんの日記を、ご本人の了承のもと、これから一つずつご紹介をさせていただきます。

※キャンサーペアレンツは、子育て世代・就労世代のがん患者のコミュニティであり、様々な社会的な接点の中で生きています。こども、家族、仕事、地域、普段の生活、将来への不安。がん患者への偏見や誤解など、まだまだ「がんと生きる」ということに対する理解が乏しいというのが実態です。キャンサーペアレンツでは、ここに集う方々の意見を『声』として広く世の中に発信し、がんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を実現すべく活動を行っています。

■投稿日

2017年2月2日(木)

■タイトル

がんになって、生きている意味がわかった

■本文

さて、放射線治療が終了しました。あー、長かった、気がする。

毎日無理やりにでも外出するのはいいことなんですけどね。冬はやっぱり、ちょっと億劫です(服の脱ぎ着......)。

今回の放射線治療も早くも効果あり!痛みがかなり軽減されましたっ!!!放射線が効くタイプの腫瘍のようです。前回は治療後1ヶ月ほどで腫瘍マーカーもぐっと下がったので、今回も少し下がってくれるといいなと密かに期待しています。こうしてちょっとずつ寿命を延ばしていけたらいいな。

一時期はビビりまくっていた医療用麻薬も、今ではすっかりルーティンに。なるべく頓服のオプソを飲まなくてもいいような量に調整してもらっているので、痛みのことは最近ほとんど忘れています。あんなに大騒ぎしたのに(スミマセン...)、人間の慣れってコワイ(゚o゚;;

***

最近息子がなんとなく、私の余命がそう長くないことに気づき始めました。なんでそう思ったのかは謎です。保育園とかで何か聞いたのかな。テレビかな。

「がんって、なおらへんの?」

「かあか、死なへん?」

「ずっと一緒にいようね」

と、何度も何度も聞いてきます。

癌が見つかった頃はまだ年中さんになりたてだった息子。がんという、ちょっと重い病気であること、まだ治療は成功していなくて治っていないことは理解しています。余命は伝えていません(余命超えちゃったしもはや不明ですが)。

もう4月には小学生になるので、そりゃあまあ、色々わかってきちゃいますよね。

「治らないと長生きは出来ない、いま頑張ってるところ」

と、遠回しに伝えていますが...... 難しいな。事実を受け止めるにはあまりにも幼い。けれど、ごまかしがきく年齢ではもうない。私も息子へ嘘はつきたくない。これからまた、息子への病気の伝え方を考えなければいけません。

がんになってみて、先行きが見えない状況になり、「自分はなんのために生きているのか」って考えたら、家族のため、子供のため、これしかないんですよね。結局。

毎日のごはんの支度、子供の送り迎えやお風呂、一緒に遊んでやること、泥だらけの服を手洗いしたり、こぼしたものを掃除したり、子供と一緒に飲むりんごジュース、寝顔を見ながら飲むビール。そんな毎日の些細なことがこんなにも幸せなことだったなんて。

「面倒で仕方ない」「毎日同じことの繰り返し」と思っていた、癌になる前の自分に「それが本物の幸せなんだよ」って教えてあげたいです。

お父さんやお母さんが早くにいなくなっても、それはなくなったりしない。愛したり愛されたりした経験は自分の中からなくならない。そういうことを子供に伝えたいんやけど、言葉にするとなんか違って、難しいし、「お母さんは生きることを諦めている」と思われたくもない。とにかく目の前の子供を毎日毎日精一杯大事にするしかない!んですけどね。

がんになってよかったことなんかひとつもないけど、あるとすれば、見過ごしていた子供への愛情を再確認できたこと。子供がいながら、自分の事しか見えていなかった人生を改められたこと。これに尽きます。だからもうちょっと頑張る。

***

またとりとめのない日記ですみません。

私もたまにはみんなに有益な情報が書かれた日記とかアップしてみたい。笑

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(第13話へつづく)

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