春、夏も遭難に注意。登山の時に注意すべき4つのポイント

近年、登山における遭難事故が多くなっています。

近年、登山における遭難事故が多くなっています。冬山だけでなく春・夏山においてもいまだに事故が絶えません。

一見大丈夫そう、安全な山のように見えても、遭難するリスクがある4つのパターンをご紹介します。

【風雨】山での雨と風が体力を奪う

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北海道や日本アルプスの高山では荒天となると夏でも凍死する可能性があります。

記憶にあたらしいのは、2009年7月に発生した北海道・トムラウシ山での遭難事故です。

悪天候に見舞われ、雨に濡れた体が強風に吹きさらされて体温が低下。

体力を奪われて、活動ができなくなり命に危険がおよぶ、低体温症で亡くなった方が出たケースです。

プロスキーヤー・登山家の三浦豪太さんによると、

「登山道具の中で最も気を使うべきなのはレインウェア(雨具)だと思っている。登山用のレインウェアは3〜5万円ほどする、決して安いものではない。なぜこれほど高いかというと素材がゴアテックスという特殊な生地でできているからだ。

この生地には目に見えない無数の小さな穴が空いていて体から出てくる蒸気は通すが外からの雨や水分は弾くという特性がある。汗を外に逃し雨を防いで体を乾いた状態に保つ。」

体温を低下させないよう、替えの服装などの装備が重要です。

【降雪】夏山が急に冬山に

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標高がある程度高い場合、たとえ晴天時は夏山でも、荒天時は山頂付近は降雪/吹雪に見舞われることもあります。

そうなると夏山のつもりで装備を整えて登山しているため、寒さへの耐性はなく低体温症や転倒・滑落のリスクも増します。

例年、夏山から冬山へ豹変した状況での遭難事故がたえません。

【落雷】雷鳴が聞こえたら落雷圏内

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初夏〜秋にかけて登山中に雷に遭うことは珍しくありません。雷雲は発達した積乱雲なので、モクモクした雲が付近にある場合は要注意。

ゴロゴロと聞こえたら10km以内に雷雲がある証拠。一つの雷雲から落雷する範囲は約10kmなので、雷鳴が聞こえたら落雷の圏内にあると思って下さい。

一番危険な場所は尾根。雷鳴が聞こえている間は尾根から少し下ったところで体を低くして一時避難する必要があります。

【増水】渓流の水温は夏でも10℃台

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登山では山を登るだけではなく、川を渡ることもあります。渡河する時に雨が弱い、あるいは雨がやんでいても上流で降った雨が流れてきて急に増水することがあります。

また、渓流は水温が低く夏でも10℃台あるいはそれ以下ということがあります。

冷水に浸かることで低体温症となり体が動かなくなり、命が危うくなることもあります。

安全な登山にするために注意するポイント

稜線や登山道にはまだ雪が残っていることも。今年は昨年より雪が多いため、アルプスなど高山、北海道の山への登山は最新情報を確認の上、冬装備を。

雨に濡れ、強い風に吹きさらされると体温が奪われ、低体温症で動けなることも。防水対策を万全に!荷物の濡れにも注意(着替えが濡れないように)

風速1m/sにつき、体感温度は1度下がると言われています。雨でぬれて強い風に吹かれると、いっきに体感温度が低下します。

低体温症になると、行動・移動が困難な状態になることもあるため、万全な対策が必要です。

気温の変化が大きいこの時期は、雪崩が発生しやすくなります。3000mの山岳でも気温はプラスになることもあれば、氷点下まで下がって雪が降ることもあります。雪面が非常に不安定になりますので、雪崩には警戒を。雪崩危険個所は事前に調べてから出発を。

雨による川・沢の増水に注意。雨と雪解け水でいっきに水量増加。鉄砲水に注意を。

(2018年5月21日ウェザーニュース「この時期 身近な登山でも気をつけたい遭難」より転載)