私は自閉症。これが私の生きている世界です

21歳、俳優志望。私の見ている世界をお話しします
|
Open Image Modal
NATIONAL AUTISTIC SOCIETY

私の名前はサスキア・ルピン。イギリスのブライトン出身で俳優を目指す21歳。私は、自閉症だ。

私にとって、21年という月日は長かった。8歳まで言葉をしゃべらず、学校では周りに誤解されているように感じてつらかった。俳優として素晴らしい演技ができる時もあれば、全然うまくいかない時もあった。ただでさえ自閉症と折り合いをつけて生きていくのは大変なのに、社会的プレッシャーや、学校で受けるプレッシャーにも苦しんできた。

自閉症のある私にとって、何がどう大変なのかを説明するのは、簡単じゃない。

でも特に大変なのは、公共の乗り物だ。予想しなかった出来事が起きると、私は不安になり、パニックに陥り、怒りが沸いてくる。理性を失い、自分は何もできないという気持ちから混乱してしまう。人混み、騒音、光がつらい。特に地下ではそうだ。

最近、ロンドンのヴィクトリア駅でパニックになった。早朝だったのでとても混んでいて、地下鉄に乗り込もうとする人たちの中で動けなくなってしまった。そしてパニックに陥り、過呼吸を発症した。人混みがなくなるまで、私は壁にもたれかかり、なんとか呼吸を整えなければいけなかった。

公共交通機関で感じる恐怖は他にもある。多くの人たちは、自閉症がある人の行動に慣れていない。だから彼らが私たちを見て、どんな反応をするだろうと考えると不安になる。

私は、自閉症を社会で理解してもらいたいと願っている。その変化を起こすのは、周りがこちらをじろじろ見ないとか、そっとしておいてくれるといった、ちょっとしたことだと思う。

私が使っている駅のチケット売り場にひとりの男性がいる。彼はこれまでに何度も私を助けてくれた。だから、乗車中に電車が遅延したり、行き先が変更になったり、キャンセルが生じたりすると私が不安にかられることを彼は知っている。

その彼が最近、私が目的地に行く方法をわざわざ紙に書いてくれた。電車を乗り換えた時にしなければいけないことや、急な事態が発生したらどうすればいいのかといったことを、細かに教えてくれた。彼の親切が私にとってどれくらい大きな意味があるものだったか、言葉では説明できないくらいだ。

2月に、英国自閉症協会のキャンペーン「Too Much Information」で主役を演じるチャンスをもらった。「Too Much Information」は自閉症を知ってもらうためキャンペーンだ。2018年は「予想外の出来事で恐怖感を味わっている自閉症の人たちはどんな行動をとるのか、そしてそれが原因でどう社会的に孤立しているか」にフォーカスした。

人生で初めて演技の仕事のオファーをもらったのはもちろん嬉しかったけれど、自分が毎日経験している苦しみを知ってもらうことに、何より情熱を感じた。

動画で私が演じるのはサラという若い女性だ。彼女は外出の準備中に、混んでいる通勤電車に自分が乗っている場面を想像する。電車は遅延し迂回する。車内は更に混んできて、サラはだんだん不安を募らせる。それが行動にも現れ始める。すると周りの人たちはサラをじろじろ眺めたり、舌打ちしたりする。そんな状況に圧倒され、サラは電車を降りられなくなる。

撮影後、初めて動画を見たとき、感情が溢れ出しそうになった。私がしてきた経験と全く同じだったから。

自閉症があると、大きな孤独や疎外感を感じる。自分は周りの人とは違うんだと感じているし、社会の行動様式についていくのに大きなエネルギーが必要だ。だから大勢の人に囲まれていたとしても、たったひとりでいるかのように感じる。

3月26〜4月2日は世界自閉症啓発ウィーク。この機会に、イギリス自閉症協会のキャンペーン動画を見て、自閉症について知って欲しい。自閉症の専門家になって欲しいと思っているわけではない。自閉症を理解してもらうと「周りから誤解されているんだ」と感じることが減る。みんなで手を取り合えば、自閉症に優しい世界を作れると思う。

ハフポストUK版の記事を翻訳しました。