YOUは何しにパレードへ? レインボープライド参加者に突撃インタビュー

日本最大のLGBTQイベントの会場で聞いてみた
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Sii Udagawa

ゴールデンウィーク恒例のイベントとなった、LGBTQ の祭典「東京レインボープライド」。5月5日と6日に東京渋谷区代々木公園で開催された。

会期中に会場を訪れた人は14万人、6日に行われたパレードの参加者は37グループ・7000人と、どちらも過去最高を記録した。

セクシュアル・マイノリティの認知向上を目的としてはじまったイベントだが、ここ数年はそういった目的意識を持った人だけでなく、多くの人が集まり楽しめるようになった感がある。

どんな気持ちで代々木公園に来たのか、参加した人たちに聞いてみた。

YOUは何しにパレードへ?

■ 理解をふかめに

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Sii Udagawa
ユカリさん(左)、キョウスケさん(中央)、ナオミさん

専門学校の同級生だったという3人。ゲイのキョウスケさんがストレート・アライの2人を誘って参加した。

「今日は来場者やパレードを沿道から見てる人たちにLGBTQを知ってもらいたくて来ました。2人には専門学校時代にカミングアウトしましたが『分かってた』って言われました(笑)」

■ ぶちあげに!!

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Sii Udagawa
まさかずさん

都内でクリエイティブ系の企業に勤めるまさかずさん。ゲイであることを社内でカミングアウトしている。

カミングアウトのきっかけは「ゲイアプリで知り合った人と会おうとしたらドタキャンされた」という経験について、会社の先輩に共感して欲しいと思ったこと。

そのために、自身のセクシュアリティを明かしたそうだ。カミングアウトの理由も人それぞれだ。

「今日は友だちや、その友だちと集まって盛り上がるために来ました! レインボープライドのようなイベントが盛り上がって、誰もが自分のセクシュアリティを気にせずに生きられるようになるといいですね」

■ ゼンタイを着て欲しい

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Sii Udagawa
TOKYO ZENTAI CLUB、丸ちゃんさん(中央)

体を全て覆う全身タイツの愛好会「TOKYO ZENTAI CLUB」のメンバーも、全国から集結した。神戸から参加した丸ちゃんさんは「全身タイツを着ると性別や個性が曖昧になりセクシュアリティを超越するような感覚がある」と話す。

「会員はストレートが多いです。全身タイツを着ると、包み込まれているような安心感が得られ、皮膚感覚が鋭敏になる。この魅力を多くの人に経験してほしいです」

■ 引きこもり 不登校 無職 ニートもいるよ

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おがたけさん

自身が引きこもりをしていた経験から、引きこもりの問題に取り組んでいるおがたけさん。手書きのプラカードを持って、埼玉県東松山市から参加した

東京レインボープライドには数年前から参加しているが、ここで知り合った引きこもりの当事者が自ら命を絶ってしまったというつらい経験を持つ。

社会がLGBTQの存在を想定していないことで、ひきこもっているLGBTQがより厳しい立場になっている、とおがたけさんは話す。

「引きこもりの支援相談員も、セクシュアル・マイノリティを想定していないので良いアドバイスが出来ません。"引きこもりの中にもLGBTQがいる"ということを、社会やキラキラ系の(充実したライフを送っている)LGBTQの人たちに訴えたいと思って参加しました」

■ LGBTを認めてもらいたい!

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ミツエさん(中央)、タカツグ(右)さんご夫婦とハナさん(左)

横浜から参加したこのご一家は、今回のレインボープライドでフリーライブをした浜崎あゆみの大ファン。母親のミツエさんの側頭部にあるアユマークのカットが、気合いを物語っている。

娘のハナさんはMtFのトランスジェンダーでもう一人FtMのトランスジェンダーのお子さんがいるという、多様性を体現したようなご家族だ。

ミツエさんは子どもたちからカミングアウトされたときには、"分かっていたし、良く言ったと思った"そうだ。

「参加者や、ニュースを見た人に、LGBTについて知ってもらうために来ました。でも、本当はアユのコンサートが一番の目的かな(笑)」

■ 会いに来た

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SHOWYOUさん(上段左)、あやぽんさん(上段右)、さりおさん(下段左)、しょーさん(下段中央)、masaさん(下段右)

それぞれ表現活動をしていて仲良くなったという5人。

SHOWYOUさんはパンセクシュアル、あやぽんさんとさりおさんはストレート。しょーさんはゲイ、masaさんはXジェンダーというザ・ダイバーシティなグループだ。

「レインボープライドは大勢のLGBTQが集まるので、友だちに会えるのが楽しみです」

■ 子育てするLGBTの人もいる

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小野春さん

同性パートナーと子育てをしている小野春さん。LGBTQで子育てしている人は、可視化されていないだけで実は大勢いるという。

この日はレインボープライドを楽しむ子ども連れの家族のために設置したブース「おやこ休憩所」のスタッフとして参加した。

「子育てしているLGBTQがいることを知ってもらいたいです。誰もが安心して子育てできるようになるといいですね」

■ 愛を感じられる世界にしたい!

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左からシズカさん、エミさん、コテツさん、カイさん、マコトさん。

シズカさん、エミさん、マコトさんはストレートのアライ(セクシュアル・マイノリティをサポートする人)で、カイさんはクエスチョニング(性自認や性的指向が定まっていない人)だ。4人は、ゲイのコテツさんに誘われて参加した。

コテツさんとシズカさんは高校の同級生。コテツさんが卒業間際、一大決心をして泣きながらカミングアウトしたところ、シズカさんの反応は「知ってた」。コテツさんは肩すかしな感じと安堵感を同時に味わったそうだ。

「愛を世界に広げ、愛を感じられる世界にしたい!」

(取材・文 宇田川しい@siiudagawa)