ノルウェーの断崖絶壁「トロルの舌」に登ってみた。現地レポート

「危ない!」。見ていてハラハラする、一生の思い出に残ること間違いのない写真。これを撮りたい旅人はノルウェーへ。世界中に数多くある絶景シーンですが、その中でも岩場「トロルの舌」は格別です。
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「危ない!」。見ていてハラハラする、一生の思い出に残ること間違いのない写真。これを撮りたい旅人はノルウェーへ。世界中に数多くある絶景シーンですが、その中でも岩場「トロルの舌」は格別です。

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崖の先端に座る人の足元に広がるのは、ハダンゲルフィヨルド地帯の美しい地形(Photo: Asaki Abumi)

ノルウェー西部ハダンゲルフィヨルド地帯は、夏になると世界中からの観光客が美しいフィヨルドを求めてやってきます。その旅路の途中で、登山好きならぜひ寄り道していきたい場所が「トロルの舌」。現地では「トロルトゥンガ」(Trolltunga)と呼ばれている、いまや人気の観光&登山スポットです。

注意:「フィヨルド」とは「 氷河による浸食作用により形成された地形に、海水が入り込んだ領域」を示します。水の成分が「海水」であれば、「フィヨルド」です。トロルの舌からみえるのは、海水ではなく、「湖」なので、ハダンゲルフィヨルド地帯の一部ではありますが、「フィヨルド」ではありません。

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何が起ころうが、全て自己責任(Photo:Asaki Abumi)

「トロル」とはノルウェーの山奥に住んでいるといわれる妖精(どちらかというと妖怪)。太陽の光が嫌いで、ノルウェーの山にある大きな岩は、光を浴びて石になってしまったトロルともいわれています。

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達成感が半端ない、一生の思い出に残る1日

標高約1100メートルあり、登山には往復8~10時間かかるとされています。険しい道のりですが、トロルの舌で記念撮影することを目標に、世界中から登山者が集まっています。ちなみに私は登山の往復に11時間かかりました。トロルの舌に着いた時、そして下山した時の喜びは格別です。

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プロポーズをする人も!? 恋人達の人気スポット

実はトロルの舌では、先端でプロポーズをするカップルが増えているようです。恋人同士で熱くキスをしながら記念撮影する人たちもいました。ほかにも犬を連れてやってくる人も。

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トロルの舌のブームのきっかけはSNS!

登山客2010年1000人 2014年4万人超

登山口のインフォメーションセンターで働くヨシュテイン・ソルダルさんによると、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSの影響で、訪問者の数が倍増しており、周辺の村々の観光産業が経済的に潤っているそうです。トロルの舌の知名度が低かった2010年は訪問者は年にたったの1000人。しかし、今年2014年度はなんとすでに4万人を記録しているそうです。

私が登山したのは8月後半で、その日は天気も多少悪く、登山客は約100人ほどとのことでしたが、ベストシーズン(7~9月)のときには1日で1500人訪れる時もあったそう。

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死亡事故ゼロ!? トロルの舌ではすべて自己責任

登山道やトロルの舌ではセキュリティスタッフはいないので、誰もが自由に動き回り、写真を撮ることができます。信じがたいですが、インフォメーションセンターによるといまだに死亡事故は起きていないとか。

ただし登山途中で遭難し、警察がヘリコプターで捜索するということはあるそうなので、今後登山を計画中の方は入念な準備で挑みましょう。アクセス方法など詳しくはAll About「ノルウェー絶景の岩場「トロルの舌」へのアクセス」にて。

SNSでハッシュタグ「#trolltunga」で検索すると、登山客のハラハラドキドキな記念ショットを見ることができます。