パガーニ「ウアイラ」は希少なスーパーカーだ、限定100台しか生産されず、その全車がすでに売約済みとなっている。しかし今回ご紹介するのは、さらに希少な「ウアイラ パール」と呼ばれるワンオフで製作されたモデルである。
ビデオでご覧いただける通り、ウアイラ パールはカーボンファイバー製ボディ・ワークが透けて見えるブラックとブルーのカラーリングが特徴的で、デザインが変更されたフロント・スポイラーや、デュアル・リアウィングが目を引く。ルーフには独特なシュノーケル型のエアインテークが設けられ、インテリアにはホワイトのレザーを使用。メルセデスAMG製の6.0リッター・ツインターボV12エンジンは、7速シングルクラッチ式シーケンシャル・ギアボックスを介して後輪を駆動する。パガーニはこれ以上の詳細を発表していないが、あのインテークの効果で最高出力は標準モデルの730hpを上回っているかもしれない。様々な改良が施されているにもかかわらず、足元には標準モデルと同じ回転方向指定のタービン型ホイールを装着しているようだ。
このウアイラ パールは、英国に拠点を置き世界中の顧客にエキゾチックなスーパーカーを販売しているRefined Marques社を通してある顧客が注文したもので、他のウアイラとは一線を画した存在だ。ちなみに、ウアイラの先代にあたる「ゾンダ」にも、「ゾンダ F」や「ゾンダ チンクエ」、「ゾンダ R」など数多くの特別モデルが存在した。
ウアイラの生産は間もなく終わろうとしており、パガーニは派生モデルの開発に重心を移し始めている。同社は先頃、サーキット仕様のハードコアな「ウアイラ BC」を発表し、今年の8月には米国カリフォルニア州モントレーで「ウアイラ ロードスター」を公開することになっている。その際にはAutoblogでも写真と記事をお届けできるだろう。
パガーニの広報担当ルカ・ベントゥーリ氏は、米国版Autoblogによる取材に対し、ウアイラ パールの開発にはほぼ1年を要したと語っており、その結果、「1人のお客様に合わせて仕立てられたスーツ」のような1台が完成したという。ゾンダ Rにインスパイアされ、技術者たちは「ダウンフォースや横G、乗り心地を改善」するために、ウアイラ パールを「サーキットから一般道まで幅広い路面で」テストしたそうだ。
価格が90万ユーロ(約1億1,000万円)といわれるウアイラで、自分だけの特別な1台をオーダーしたら、果たしてどれほどの金額を請求されるのだろうか...。
By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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(2016年5月8日「【ビデオ】パガーニ、特別な顧客のためにワンオフで製作した「ウアイラ パール」を公開」より転載)