夢を追う強化費を、子どもの年齢で区切っていいのか

将棋のプロになるには年齢制限があります。満23歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日までに四段を獲得していないとプロになれないそうです(一部例外あり)。
Japanese Child skiing in Niseko, Hokkaido, Japan.
Japanese Child skiing in Niseko, Hokkaido, Japan.
Benoist Sébire via Getty Images

シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。

将棋のプロになるには年齢制限があります。満23歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日までに四段を獲得していないとプロになれないそうです(一部例外あり)。私はずいぶん残酷だな、と思いましたが、私の友人は「才能がない人に、可能性という夢を見させ続けるほうが残酷」と考えます。

さて昨今、世界のスポーツ界では若年化が進んでいます。例えば体操競技は、中学入学時点(12歳)から始めた選手はほとんどオリンピックに出場していません。テニスやゴルフも同じで、例えば錦織圭選手、石川遼選手も小学生の頃には既に競技を始めています。陸上はさほどでもありませんが、技術系競技で世界を相手に戦おうと思ったら、中学から始めては間に合わなくなっています。

さてここで、少し残酷な仮定の話をします。調査の結果、体操競技で7歳までに競技を始めた選手と、8歳以降に始めた選手では、メダルを取れる確率が100倍以上違うことが分かったとします。データによると、8歳以降に始めた場合、ほぼメダリストにはなれないと言います。

そこで体操協会は、メダル獲得のための強化費の割り振りを変えることに決めました。7歳までに競技を始めた選手にすべての強化費を使うことに決めたのです。効果はてきめんで、日本はメダル数を2倍に増やしました。

もちろん批判もありました。人間の可能性を否定している、努力してきた選手がかわいそう、体操をやりたいという子どもが少なくなり競技自体が衰退する、など。一方で、効率良く強化費を投入するのは当たり前だ、むしろ可能性がほとんどない人に夢を見させてキャリアを引っ張ることのほうが問題だ、というのが協会側の主張です。

さて、ここで皆さんにご質問です。選手の夢であるメダル獲得のための強化費を、8歳より前に競技を開始した人だけに割り振ることに賛成ですか? それとも反対ですか? ぜひご意見をお聞かせください。

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Twitter:@daijapan

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