このところ週刊文春の芸能ネタ並みにアップルのネタを連発しているBloombergが、この秋発売の新iPhoneが日本のFelica規格、つまり「おサイフケータイ」に対応し、対応する公共交通機関の自動支払いに対応すると報じました。もし伝えられるとおりなら、iPhoneユーザーは「ウォレット」アプリにSuicaなどのFelicaカード情報を登録して利用できることになります。
9月にも発表が噂される新iPhoneは従来モデルから外観デザインに大きな変化がなく、またイヤホンジャックの廃止などが噂として広まっており、ユーザーにとってはあまりうれしくない情報が多くなっていました。しかし、世界的に見ても日本市場はiPhoneの占有率が高く、直近四半期ではアップルの売上高の11%が日本からのものでした。とすれば、アップルはここで日本向けの機能を強化してさらに販売を伸ばしたいところとも考えられ、Felicaへの対応はその起爆剤として十分な火力がありそうです。
Felica規格はいわゆる「おサイフケータイ」として、SuicaやPASMOを筆頭に日本全国の交通機関用IC決済カードに使われています。またそれ以外の分野でも楽天Edy、WAON、nanacoなどショッピングやチケット発券、ポイントカードなど幅広く普及しています。
Bloombergは、KDDIがAppStoreやApple Music、iTunesほかでauかんたん決済を利用可能とした件を紹介し、クレジットカード会社との合意がなくともモバイル決済サービスの導入ができる可能があるとしています。一方で、Felica普及を推進するJR東日本がFelica規格のグローバル化を進めていたことも今回の話題に関係していそうです。
アップルはFelica関連のなかでまず交通系のICカード会社、そして電子マネーとの交渉に入っているとされます。ただ、協議が不調に終われば、新iPhone発売と同時にサービスを利用可能とはならず、2017年以降に持ち越しとなる可能性もあるとのことです。
なお、このBloombergのMark Gurmanは元9to5Macの記者で、信頼性の高い情報源を持っているとされる人物ですが、今回の情報源となった人物については匿名での情報提供ということで一切明かしていません。またアップルは当然ながらこの件に関してコメントしていません。
(2016年08月26日 Engadget日本版「iPhone 7 /7 Plus(仮)がFelicaに対応とBloomberg報じる。iPhoneでおサイフケータイ実現か」より転載)
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