新MacBook Pro発表。新機能「Touch Bar」、大幅な薄型軽量化など大きく改良

日本では円高傾向が反映された結果、価格が事実上の値下げに近くなっていることもあり、ほぼ間違いなく高い人気となりそうな仕上がりとなっています。

アップルの「Hello again」スペシャルイベントより。ウワサ通り、新型となるMacBook Proが登場しました。キーボード面のタッチ対応ディスプレイ『Touch Bar』(タッチバー)を搭載する点や、従来モデルより大幅に薄型軽量化するなど、大幅な強化が図られました。

製品構成は13インチと15インチの2モデル、本体カラーはシルバーとスペースグレイの2色。ただし13インチは同じ『13インチMacBook Pro』でも、Touch Bar非搭載の実質的に別シリーズとなるモデルも用意されています(こちらは別記事で紹介します)。

価格は13インチ版が17万8800円(税別)/1799ドルから、15インチ版が23万8800円(同)/2399ドルから。日本では円高傾向が反映された結果、従来モデルに比べてお買い得感が増しました。

日本版の13インチ/Touch Bar搭載の最廉価構成モデルは、17万8800円。CPUが物理2コア版Core i5、メインメモリ8GB、SSDは256GBのPCI Express接続、GPUがCPU内蔵(インテルのIrisグラフィックス 550)という構成。

またSSDを512GBに増設したモデルは2万円アップと、従来より価格差が縮まっているのもポイントです。

本体サイズは304.1×212.4×14.9mm(幅×高さ×奥行き)、重量は1.37kg。薄さと軽さは、現行モデルの値が18.0mm/1.58 kgなので、3.1mm薄く、120gほど軽くなっています。

15インチの最廉価構成モデルは、23万8800円。CPUが物理4コア版Core i7、メインメモリ16GB、SSDは256GBのPCI Express接続、GPUがRadeon Pro 450(詳細仕様は不明)という構成。

上位モデルはCPUクロックが100MHz向上し、SSDが512GBに増量、GPUが高速化して4万円アップです。

本体サイズは349.3×240.7×15.5mm(幅×高さ×奥行き)、重量は1.83kg。こちらの現行モデルは18.0mm/2.04kgなので、2.5mm薄く、210gほど軽い計算。全体の重量はともかくとしても、軽量化の恩恵は15インチ版のほうが大きくなっています。

さて、機能的な面で最大の特徴となるのが、キーボードの最上段(従来ファンクションキーが配置されていた段)に搭載されたタッチパネル付きディスプレイ『Touch Bar』です。

これは表示や細かな位置が変更可能なタッチパネル付きディスプレイの特性を活かし、アプリケーションやユーザーの使い方によって様々な機能を割り当て、また画像のサムネイルや動画タイムライン表示など、小型の画面としても使えるようにした設計。

ユーザーによるカスタマイズも可能です。詳細は下記記事を参照ください。

なお、一部のウワサでホットだった「Escキー廃止」に関しては、アプリによっては(確かに)非表示となります。

また他の(物理的な)キーに関しては、12インチMacBookで導入された薄型キー構造を第2世代として搭載します。合わせてトラックパッドは最大2倍の面積に拡大しているのもポイントです。

合わせて、指紋認証機能『Touch ID』用リーダーも、事前情報通り右端に搭載。指紋処理には安全性の確保などから新しく開発した専用チップ『Apple T1』が担当します。

Retinaディスプレイは、解像度こそ現行モデルと同じ(15インチが2880×1800、13インチが2560×1600)ですが、表示品質の面では大きく改良。とくに明るさやコントラストは、両者とも67%もの向上をアピールします。

さらに緑と赤の色域(しきいき:色の表示範囲)が広がった広色域対応に。デジタル映画規格「DCI-P3」をサポートします。

基本性能の点でも(もちろん)大幅強化。15インチモデルは物理4コアのインテル Core i7に、Polaris世代のAMD製GPU、Radeon Proを搭載。上述したように詳細は不明ながら、現行モデル比で速度2.3倍、実ゲームでも1.6倍の速度を謳います。

合わせてSSDも同じPCI Express接続ながら、リード速度が最高3.1GB/秒の最新世代へと変更されています。実使用時ではもちろん、ストレージ速度の改善は大きく「効く」だけに、重要な変更点でしょう。

13インチモデルはインテルの物理2コアCPUと、Irisグラフィックスがベース。ゲームでは現行モデルの2倍強となる103%アップに、純粋な3D描画速度も1.73倍に高速化されています。さらにSSDは15インチと同じ、最高3.1GB/秒のモデルを採用します。

そして拡張端子は、ついに最大40GB/秒の速度が出せるThunderbolt 3に。USBタイプC(USB-C)として使う場合の速度も10GB/秒と、12インチMacBookの5GB/秒(=USB 3.0相当)より高速化されました。

しかも13インチモデル、15インチモデルともに4基を搭載。物理的なレイアウトも、左右に2基ずつと使いやすい配置です。さらにACアダプタは、4基のうちどこに接続しても電源が供給できる仕様となっています。なお、直径3.5mmのヘッドホン端子も搭載します。

この他にも、本体の外装レベルでのアップデートは4年ぶりとなるだけに、様々な点で改良がなされています。

冒頭で紹介したように、とくに日本では円高傾向が反映された結果、価格が事実上の値下げに近くなっていることもあり、ほぼ間違いなく高い人気となりそうな仕上がりとなっています。

ウワサを信じて待ち続けていた人の多くが納得できるアップデートと呼べそうです。

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