イーロン・マスクの宇宙開発企業 SpaceX が日本時間1月18日未明、米国の人工衛星 Jason-3 を搭載した Falcon 9 ロケットを打ち上げ、予定した軌道への投入に成功しました。しかし、注目された第1段ロケットの着地試験は、着陸脚が正常に動作せず失敗に終わっています。
濃い霧のなか、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた Falcon 9 は、リフトオフ直後の姿勢も良く、順調に高度を上げていきました。ロケットに搭載したカメラからは瞬く間に地面が遠のき、地球の稜線が見え始めます。
Falcon 9 はそのまま第1段ロケットの切り離しに成功、第2段の点火も問題なくこなしました。程なくして映像は洋上でロケットの帰還を待ち構える無人船の定点カメラに切り替わります。ところが、第1段が戻ってくる時刻を過ぎても洋上の無人船の映像に変化はなく、そのまま映像は停止してしまいました。
この直後にロケットは横転
イーロン・マスクは着地失敗の原因について、最初は「若干ハードランディングだったようで着陸脚の1本が壊れてしまった」とツイート。後で伝わった情報によると着陸そのものはソフトランディングで、位置もほぼ正確だったものの、3番目の着陸脚が正常に展開せず、そのまま無人船の上に横倒しになってしまったとのこと。
地上での着陸に成功して勢いに乗っていた SpaceX ですが、洋上での着地は着地点の狭さや船の揺れなどによって難易度が高く、今回は波のうねりが大きかったことも影響したかもしれません。また着陸脚に発生したようなトラブルも再発を防止していかなればなりません。SpaceX は2016年内にまだ3~4回の打ち上げ計画があるとしています。次回以降の着地試験に期待したいところです。
[Images : SpaceX]
(2016年1月18日 Engadget日本版「Space X、大型ロケットFalcon 9 第1段の洋上着地に失敗。Jason-3衛星の軌道投入は成功」より転載)