Z世代の「推し活」はセルフケア?バズり投稿の信頼度は?最新調査から見た、Z世代の現在地

第一三共ヘルスケアが「Z世代セルフケア白書2025」調査を実施。Z世代のセルフケアの認識や具体的な行動について、ミドル世代と比較して分析した。

健康寿命の延伸やコロナ禍などを通じ、心身のヘルスケアに関する関心が高まった現代。個人が自身の心身の状態を気にかけ、行動へとつなげる「セルフケア」も重要なキーワードとなっている。

第一三共ヘルスケアは、Z世代などを対象に実施したセルフケアに関する意識調査「Z世代セルフケア白書2025(*)」を発表。Z世代のセルフケアの現状や課題に加え、SNSや「推し活」を通じたセルフケア効果などをまとめた。

*15〜59歳までの男女を対象に、セルフケアに関する意識調査を実施。20代以下を「Z世代」、30〜50代を「ミドル世代」と定義。

セルフケア、実践できない理由は?

セルフケアの実践度
セルフケアの実践度
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

セルフケアの認知度は両世代ともに7割以上と高く、大きな差は見られなかった。一方、セルフケアの実践度について「セルフケアを実践できている」と回答した割合は、Z世代が半数以上(52.4%)、ミドル世代の約4割(44.9%)という結果になった。

セルフケアが実践できていない理由
セルフケアが実践できていない理由
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

セルフケアを実践できていないと回答した層に対し、その理由を尋ねたところ、「何をすればいいか分からない」が約4割(38.6%)で最も多く、2番目に多い「良い睡眠がとれていないと思う」を8.1%上回った。セルフケアを知ってはいるものの、実際の生活に取り入れられていない層が多いことがうかがえる。

健康に対する情報取得経験
健康に対する情報取得経験
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

次に、からだやこころの不安や悩みについて調べた経験を尋ねたところ、約7割(68.5%)が「自分から意識して調べることがある」または「気になる情報に触れたら、読んだり視聴したりすることがある」と回答した。

情報源については、いずれの世代も「テレビ・新聞・雑誌などのメディア」、「検索エンジン」が上位2位を占めた。「SNS」(38.4%)はZ世代の3位にランクインしたが、依然としてテレビや新聞などのメディアの存在は大きいようだ。一方、ミドル世代で「SNS」と回答した割合は16.4%にとどまり、「企業のウェブサイト」(26.0%)や「医療機関」(23.9%)を下回った。

信頼して利用することがある健康やセルフケアに関する情報
信頼して利用することがある健康やセルフケアに関する情報
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

また、からだやこころの不安や悩みに関して「信頼している情報源」について尋ねたところ、いずれの世代も「医療従事者など専門家の記事や動画」が最多で、Z世代が34.1%、ミドル世代が40.7%となった。

 一方、SNSにおける「インフルエンサー動画やSNS投稿」を信頼している割合は、ミドル世代が7.5%であるのに対しZ世代は17.4%となり、2倍以上の顕著な差が見られた。さらにZ世代の14.7%は「いいね・シェア数や再生回数の多いSNS投稿」を「信頼する」と回答し、ミドル世代(3.5%)の約4倍の差が見られた。

推し活とセルフケアの関係性

健康やセルフケアに関するご情報の接触経験
健康やセルフケアに関するご情報の接触経験
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

続いて、「ネットニュースやSNSで、健康やセルフケア情報について誤った情報に接した経験があるか」を尋ねたところ、全体の約3割(29.0%)が「ある」と回答した。

世代別に見ると、ミドル世代が24.7%であったのに対し、Z世代は35.5%と10.8ポイント高く、Z世代の方が誤った情報に接触する割合が高い傾向が明らかになった。さらに、誤情報に接触した人の中には、実際に健康被害などの不具合を経験した人も一定数存在しており、Z世代の方がその割合がやや高い結果となった。

推し活のからだやこころへの影響
推し活のからだやこころへの影響
第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査

さらに今回の調査では、「推し活」についても聞いた。

「推し活」をしているか否かを尋ねた設問では、Z世代の約6割(63.8%)、ミドル世代の約3割(32.1%)が「推し活をしている」と回答。からだやこころへの影響としてもっとも多かったのは「元気が出る」で6割を超えた(61.6%)。また、Z世代は「美容に気をつかうようになった」(23.1%)や「体力がついた」(17.0%)といった身体面への効果を感じている人も多いようだ。

さらに「推し活はセルフケアにつながっていると思うか」と尋ねると、約9割(88.0%)が「はい」と回答。世代に関わらず、今後も「推し活」をキーワードとしたセルフケアの新たな打ち手が増えていきそうだ。

【調査概要】

調査主体:第一三共ヘルスケア

調査名称:「Z世代セルフケア白書2025」調査

調査対象:全国の15~59歳までの1043人

調査方法:インターネット調査

調査期間:2025年9月5〜10日

※20代以下を「Z世代」、30代〜50代を「ミドル世代」として集計・比較。

注目記事