子宮頸がんワクチン、機会を逃した女性たちに無料で接種へ。対象となる年代は?

定期接種の機会を逃してしまった、1997~2005年度生まれの女性たちが対象となります。
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厚生労働省、環境省が入る中央合同庁舎第5号館(東京都千代田区霞が関)
厚生労働省、環境省が入る中央合同庁舎第5号館(東京都千代田区霞が関)
時事通信社

子宮頸がんの原因となる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染を防ぐワクチンについて、接種機会を逃した1997~2005年度生まれの女性たちも、原則無料で接種できることが決まりました。厚生労働省の専門家による分科会で了承されたと、朝日新聞デジタルなどが報じています。

公費による無料接種は、2022年4月から3年間実施するといいます。

子宮頸がん予防するHPVワクチンとは

「子宮頸がん」とは、女性の子宮頸部にできるがんのこと。国立がん研究センターによると、毎年約1万人ほどの女性が発症し、約3000人の女性が亡くなっています。

厚労省のサイトなどによると、子宮頸がんの発症には「ヒトパピローマウイルス(HPV)」と呼ばれるウイルスが関わっています。

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、子宮頸がんだけではなく、肛門がんなどの原因にもなります。一般的に性行為を介して感染し、性経験のある女性であれば50〜80%が生涯で一度は感染すると推計されています

感染しても、ほとんどの確率でウイルスは自然に排除されます。しかし、がんを引き起こしやすいHPVに数年から数十年にわたって持続的に感染した場合に、がんになることがあると報告されています。

HPVワクチンを接種することで、このヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を予防することができます。

機会を逃していた人にも無料で接種の機会

HPVワクチンをめぐっては、2013年4月から、小学校6年生から高校1年生の女子を対象に公費助成の定期接種が始まりました。しかし、接種後の体の痛みなどの報告とメディア報道が相次ぎ、厚労省は同年6月にワクチン接種を促す「積極的な勧奨」を中止しました。

しかし、海外では広くワクチンの接種が進んでいて、世界保健機関(WHO)は予防に「非常に効果的」として接種を推奨しています。

その後、国内外から予防効果や安全性に関する報告が集積し、厚労省の専門部会は2022年11月、HPVワクチンの安全性に特段の懸念が認められないことや接種の有効性を確認したとして、「積極的な勧奨」を再開することを決定しました

厚労省は11月時点で、積極的な勧奨を中止していた間に接種機会を逃した人に対し、公費での接種の機会が設けられるように検討を進めるとしていました。