2020年12月14日 10時00分 JST | 更新 2020年12月14日 10時00分 JST

「コロナが心配だし、まだ健康診断はいいかな」と思っていませんか?久々の健診で子宮筋腫が見つかった40代エディターが伝えたいこと

健康診断に含まれている意外な検査とは? 病院のコロナ対策は?

コロナ禍から約9ヶ月。病院での感染リスクへの懸念から、健康診断を受ける人が減少しているようだ。実際に受診した人は昨年と比べて約33%も減っているというデータもある。

受診を控えている多くの人は、がんや生活習慣病などの早期発見につながる健診や人間ドックが大事なことは認識しつつも、コロナの感染を心配しているのだろう。では、今、病院ではどんな体制で健康診断をおこなっているのか?ハフポストエディターが実際に受けて確かめてみた。

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健康診断を受けず、がんの発見が遅れた義母

昨年、義母が亡くなった。

大腸がんが発覚して約4ヶ月後、あっという間に逝ってしまった。面倒見がよい人で地域の民生委員を約20年間もしており、近所の高齢者たちにも慕われていた。葬儀にかけつけた義母より年輩の近所の方たちが「数ヶ月前まで元気だったのになんで…」と肩を震わせていた光景が忘れられない。

夫が義父に聞いたところによると、どうやら義母は定期的な健康診断を受けておらず、便潜血検査などもしていなかったらしい。それまで重い病気をしたことがなかったので自分の健康を過信してしまったのだろうか。

義母が亡くなって以来、「健康診断をきちんと受けなきゃね」と夫婦間で言いあっている。しかし今年は、自宅での飲酒量の増加や月経痛など多少気になることはあっても、コロナ禍で外出を控えていたこともありしばらく受診をためらっていた。

筆者にかぎらず、例年に比べ健康診断を受ける人がかなり減っているとのことだ。病院でのコロナの感染リスクへの懸念が理由として挙げられるが、がんなどを早期発見できる可能性をつぶしてしまうことになるのではないか。症状が出てから病院に行ったのでは、義母のように手遅れになるのではないだろうか。

そんなことを考えている矢先、ちょうど会社から定期健康診断の案内が来たので、意を決して受診することにした。

コロナ禍における健康診断の現状をレポートするので、読んでいただけたらと思う。

maiko kudo
検査着に着替えた筆者。更衣室にて

健康診断の内容を事前に確認してみた

健康診断を受けることにしたものの、恥ずかしながら健康診断の検査内容についてあまり知らなかった筆者。事前に病院に電話をして、今回受けるのはどういう検査なのか、その検査によって何がわかるのかを聞いてみた。もちろん、病院がコロナ対策をきちんとしているかについても確認した。

ひととおり説明を受けた後、40代という年齢から必要性を感じて、基本の健康診断にオプションで乳房X線検査(マンモグラフィー)、腹部超音波検査、子宮頸部細胞診、子宮内超音波検査を追加することに。

下記の対応表のうち、胃カメラと前立腺検査をのぞいたものを受けることができ(その他、身長・体重、視力、聴力、血圧、眼底検査)、健康診断は、想像以上に多くの病気に対応していることがわかった。

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この他、身長、体重、視力検査、聴力検査、眼底検査、血圧、内科診察が含まれる ※詳しくは病院にお問い合わせください(人間ドック学会HP他よりハフポスト作成)
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病院内の待合室はソーシャルディスタンスが保たれている

子宮筋腫が発見された

健康診断当日の朝8時、都内の御茶ノ水にある病院へ。待合室のソファは、ソーシャルディスタンスが保たれている。

受付に設置されている消毒液を手にすりこんでから、あらかじめ用意してきた問診票と検便(2日分)を提出した。その後、案内された更衣室で、上下に分かれた検査着に着替える。もちろんマスク着用だ。

上記の検査を受けたわけだが、特に気になった検査について、紹介したい。

トイレで検尿を提出してから、胸部X線を受け、次に腹部・乳房の超音波(エコー)検査、乳房触診へと進んだ。その後、健康診断の定番ともいえる身長体重測定、血圧測定、視力検査、聴力検査、さらに眼底検査を次々と終える。それほど混んでおらず、きわめて順調だ。

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腹部の超音波(エコー)検査の様子。お腹に塗ったゼリーは季節にかかわらず、常に温められているものが使われる
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筆者の子宮筋腫について説明する医師

オプションでつけた子宮がん検診と超音波検査へ。

医師による内診は経産婦となった今でも緊張するが、今回はとても丁寧な医師でリラックスして臨むことができた。
子宮頸部細胞診の後、子宮のエコーをモニターで見ていく。

「あ、良性の筋腫がいくつかありますね。ひとつは5cmくらいまで大きくなっていますね」との医師の言葉にドキッとした。最近、生理中に下腹部がズキズキ痛むことがあったのは、筋腫のせいだったのかもしれない。

おそるおそる「何cmくらいになったら手術が必要ですか」と聞いたところ、「10cmですかね。あなたの場合、40代ですから、定期的な婦人科検診や婦人科クリニックで経過観察を行って、閉経までに大きくなったり、症状が悪化しなければ手術しなくて済む可能性もありますね」とのことだった。

検査台を下りてから、子宮筋腫について詳しく聞きたいとお願いすると、パンフレットを取り出しながら丁寧に説明してくれた。また、子宮筋腫だけでなく子宮内膜症や卵巣のう腫等、子宮超音波検査で発見される病気は多いという。

「子宮がん検診だけではなく、ぜひみなさんに子宮超音波検査を受けて欲しい」と医師は語った。

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医師が子宮について詳しい説明をしてくれた。筋腫によっては拳くらいの大きさになるものもあるという

子宮筋腫の発見に若干ショックを受けつつマンモグラフィーへ。いわゆる乳房をはさんでレントゲンを撮る検査で、かなり痛いと言われている。

「痛いですかね?」小さい声で尋ねる私に対して、「はい、痛みをともなう検査ですね」と検査技師からは淡々とした返事が返ってきた。

やっぱり、痛いのか。

乳房を縦に、横に、斜めに挟んでレントゲンを撮る工程が続く。技師も乳房をぎゅうぎゅう押しこんだりしてなかなか大変そうだ。

そして思ったとおり、痛い。が、耐えられないほどではない。歯を食いしばりつつ5分ほどでレントゲンを撮り終わった。

最後に、乳房触診とこのマンモグラフィーを合わせて受けることにより、乳がんが発見される確率が高くなると説明してくれた。

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乳房の断面図

最後に胃バリウム検査が待っていた

マンモグラフィーの後は採血、心電図、肺活量、内科診察と続いた。

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採血の様子。コロナのせい?にして、お酒を家で毎日飲むようになってしまい、肝臓の数値が少々心配だ

そして、最後の関門・胃のX線検査へ。いわゆるバリウム(胃部造影剤)検査とも呼ばれる。胃を含む上部消化管全体の健康状態を調べるのに役立つ検査で、胃・食道・十二指腸のがん疾患のほか、胃潰瘍や胃炎、ポリープなどを早期発見することが目的だという。
検査技師に胃をふくらませる発泡剤とバリウムを渡されて、ドキドキしながらもなんとか飲みほした。苦手な人もかなり多いと言われるが甘く飲みやすい味にされており、思ったよりもスルっと飲めた。そのあと、検査台の上で体の向きを変えたり回転することを指示され、忙しくくるくる回る。

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振り落とされないように必死で手すりにつかまる筆者

遊園地のアトラクションを思い出しながら必死で検査台の手すりにつかまりつつ、10分ほどで終了。
最後に、技師に「今日中に便を排出してくださいね」と下剤を渡され、便秘がちな筆者はさらに強めの下剤ももらった。(ちなみに、バリウムは翌日朝に排出された)

支払いを済ませ、時計を見ると10時半過ぎになっていた。所要時間は約2時間半というところか。それほど待ち時間もなく順調に進んだ健康診断だった。

診断結果は約1ヶ月後に郵送されてくるとのことだ。どうか健康だという結果が出ますように。

◇◇◇
今回健康診断を受けてみて、意外にも多くのがん検診が含まれていることを初めて知った。また、医師や検査技師のみなさんが検査内容について真摯に説明してくれこともあり、それぞれの検査の意味や、5cmの子宮筋腫含め自分の体について知ることができたのであらためて受診をしてよかったと思える。

さらに、心配していたコロナ禍においての受診についても、病院内は消毒液の設置や、医師や技師の皆さんも受診者もみなマスクを着用していた。また全体を通じて3密の場面も無く、個人的には不安を感じなかった。
筆者は子宮筋腫の経過観察もあり、来年も健康診断を受診するつもりだ。

がんなどの病気の早期発見の機会を失わないためにも、コロナ対策をしっかりしている病院を探し、正しい知識を身につけて、健康診断を受けてみてほしい。

 ※参考 協会けんぽ、日本人間ドック学会、女性のための統合ヘルスクリニック イーク、丸の内クリニック、土屋病院のHP

(取材協力/浜田病院 執筆/磯本美穂 撮影/工藤真衣子)