1分で製造できる医療用フェイスシールドの作り方をニューヨーク大学が無料公開

フェイスシールドは、呼吸器防護具のN95マスクやサージカルマスクとともに使用され、患者が咳やくしゃみをした際に飛散するウイルスを含有する飛沫から医療従事者を保護します。
TechCrunch Japan

ニューヨーク大学(NYU)は他の多くの学術、民間、公営機関と同様、世界中の医療従事者が必要としている個人防護具(PPE)の供給についてできることに取り組んでいる。同大学はいち早くオープンソースのフェイスシールドを開発し、量産してすこしでも需要に応えるべくその作り方を無料で公開した。

フェイスシールドは、新型コロナ患者と濃密な接触をする現場の医療従事者にとって不可欠な器具だ。具体的にはプラスチック製の透明なマスクで、顔全体を覆う。呼吸器防護具のN95マスクやサージカルマスクとともに使用され、患者が咳やくしゃみをした際に飛散するウイルスを含有する飛沫から医療従事者を保護する。

NYUのプロジェクトはフェイスマスクを量産するためのさまざまな試みの1つだが、他の多くは3Dプリントを使用している。3Dプリントは小規模な業者や個人でも製作に貢献できるという利点があるが、1枚作るのに30分から1時間もかかってしまう。NYUのデザインは一般的な材料だけを使う。透明で柔軟なプラスチックと伸縮性のあるバンドがあればよく、薄くて平らな製品をつくる設備(穴あけ器、レーザーカッターなど)のある製造施設であればどこででも1分以内で製造することができる。

マスクは臨床医と共同で設計され、すでに100個以上が緊急治療室に配布されている。NYUのチームは製造能力を上げ、材料が製造パートナーに揃えば最大30万個を作る計画だ。パートナーにはDaedalus Design and Production、PGR Scenic Technologies、Showman Fabricatorsらがいる。

チームはその作り方をダウンロード可能なツールキットとして一般公開しており、多くの人が同大学のやっていることを真似してより多くのマスクが配布されることを望んでいる。大量生産に協力してくれるメーカーからの連絡も待っている。

個人防護具不足のさまざまな側面に取り組んでいるプロジェクトでは人工呼吸器を作ったり、1台の人工呼吸器を4人同時に使える器具を作っている。これは、コミュニティーのために賢明な人々や組織が協力することで何ができるかを示すすばらしい例であり、新型コロナ危機が深まるにつれ、同様の事例がさらに出てくるに違いない。

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