タイリー・ニコルズさんを暴行した警察官、手錠をかけた状態の写真を携帯で撮って知人に送っていた

黒人男性のタイリー・ニコルズさんは複数の警察官から殴る蹴るの暴行を受け、3日後に死亡した

アメリカ・テネシー州メンフィスで、29歳の黒人男性タイリー・ニコルズさんが警察官に暴行された後に死亡した事件で、警察官の1人が手錠をかけられ血まみれの状態だったニコルズさんの写真を携帯電話で撮影し、少なくとも5人に送っていたことがわかった。ニューヨークタイムズなどが報じた。

教会に飾られたタイリー・ニコルズさんの写真(2023年2月1日)
教会に飾られたタイリー・ニコルズさんの写真(2023年2月1日)
Lucy Garrett via Getty Images

この問題は、メンフィス警察から入手した文書で明らかになった。暴行に関与した警察官はすでに殺人罪で訴追されている。

ニューヨークタイムズが公開したその文書によると、警察官の1人デミトリアス・ヘイリー容疑者は、ニコルズさんを暴行した後に私用携帯電話を使って写真を2枚撮影。ニコルズさんは、暴行で怪我をし、手錠をかけられた状態だった。

警察官は撮影した写真を少なくとも5人に送信しており、送り先にはメンフィス警察の警察官の他に、女性の知人も含まれていた。

文書によると、職務に関連した情報を許可を得ずに他者に共有することは、機密情報保持の規則に反するという。

メンフィス警察が公開した動画の一部

停車理由を伝えていなかったことも明らかに

ニコルズさんは1月7日、危険運転の疑いで警察に運転していた車を停車させられた。

警察が公開したボディカメラなどの映像では、ヘイリー容疑者を含む5人の警察官がニコルズさんを車からひきずり下ろし、暴力的に地面に押さえつける場面が映っていた。

警察の文書によると、ヘイリー容疑者はニコルズさんを車から引きずり出した後、停車や逮捕の理由を伝えていなかったという。

ニコルズさんは「私は何もしていない」「家に帰ろうとしただけだ」と訴え、一度は逃げ出したものの、警察官たちは数分後にニコルズさんを拘束して殴る蹴るの暴行を加えた。

ニコルズさんはそれから3日後に死亡。暴行に関与した5人の警察官は全員解雇され、殺人罪などで訴追された。

さらにメンフィス市は2月7日、この事件に関して新たに7人の警察官の懲戒処分を発表した。

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