【3.11】Google Earthがつなぐ宮城県女川町の復興への歩み。被災者が描く町を支える「おもしろい人たち」

クリエーション機能を活用し、復興やまちづくりに取り組む人を紹介するプロジェクトが公開されている。

東日本大震災から9年を迎えた3月11日。

津波被害に見舞われた宮城県女川町の男性が、復興やまちづくりに取り組む人たちをGoogle Earthを活用して紹介している

Google Japanが3月9日、この取り組みをTwitterやYouTubeで紹介した。

企画・作成したのは女川町出身の阿部昂星さん。10歳の時に東日本大震災が起きた。

活用したのはGoogle Earthのクリエーション機能。マップ上のスポットに印や線をつけて、そこに写真や説明書きを添付してストーリーを紹介できる。

スライドショー形式でも閲覧でき、一つのスポットから次のスポットへとマップ上で移動して、女川町や地元の人たちのストーリーをめぐることができるようになっている。

プロジェクトのタイトルは 「震災があろうと、人はこんなにおもしろい町が創れる」。「復興まちづくりの芯にあるのは『おもしろい人たち』ではないだろうか?そこで私は、『人』をとおしてまちづくりのストーリーを描くことにした」と、経緯をつづっている。

Googleと、子供たちが放課後に過ごせる施設「女川向学館」が連携して実現したという。

スライドを進めると、復興に向かう町を写したストリートビューと、がれきや車が散らばった震災直後の写真が並べられている。説明書きには、800人が犠牲になったことや、震災の影響で人口が著しく減少したことなどがつづられている。

さらに読み進めると、震災前から営業する衣服店や、震災後に移住した人が開いた喫茶店といった地元のスポットなどが紹介される。そこに携わる人たちの震災当時のエピソードや事業を立ち上げた経緯などについて、写真を織り交ぜて伝えている。

Googleマップと連動し、場所から場所へリレー形式でつながっているような見え方になっている。

子供たちの反応「復興のことを考えるようになった」

プロジェクトに携わった女川向学館の太田哲平さんによると、このプロジェクトは2019年4月に始動し、10月に完成した。

太田さんは、阿部さんのプロジェクトにかける思いとして、「復興に向けて働き、活躍するたち人の姿を見てきたので、その姿を伝えていきたいと話していました」と語った。

現地から見た復興の様子については、太田さんは 「道路や街ができつつあって、ハード面では整い始めています。ただ、被災された方に会うと、昨日のことのように思い出すと話されます。心の復興はまだ進んでいない」と説明する。

プロジェクトは、地元の人たちに少しでも安心を与えたいという思いも込められている。地元のイベントなどでも紹介し、子供たちからも「復興のことを考えるようになった」と反応があったという。

太田さんによると、阿部さんは熊本地震で現地にボランティアに行っていたという。阿部さんの言葉として、次のように紹介した。

「残念ながら災害に遭われてしまう方もいます。女川町の復興の姿を伝えることで、他の地域の人に参考にしてもらったり、勇気や元気を与えたりすることができればいいです」