新型コロナ担当の西村大臣がPCR検査「無症状なのになぜ」批判の声上がる

新型コロナウイルス対応を担当する西村康稔経済再生相が、PCR検査を受けたとTwitterに投稿。症状が出てもすぐに検査を受けられない人が多い中、「特別扱いはおかしい」と批判が噴き出している。
西村康稔経済再生担当相
西村康稔経済再生担当相
時事通信社

新型コロナウイルス対応を担当する西村康稔経済再生担当相が、PCR検査を受けたことをTwitterに投稿し、波紋を広げている。PCRを巡っては、検査の希望者が殺到し、専用の相談センターに電話がつながらないなどハードルの高さが問題となっている。ネット上では「政府要人だけ扱いが違うのはおかしい」「濃厚接触者でもないのになぜ受けられるのか」などと批判が噴出している。

内閣官房によると、新型コロナウイルス感染症対策推進室の40代男性職員が4月24日、PCR検査で陽性と判明。この男性職員は、19日に西村氏の視察に同行していた。職員の感染が確認されたことを受け、西村氏は25日から自主的に自宅待機し、27日に公務復帰した。時事通信社によると、西村氏に症状はなかった。

西村氏は26日、自身のTwitterで「濃厚接触者に該当しないと保健所により確認されました。なおPCR検査も受け、陰性であることも確認しました」と投稿。

これに対し、Twitterでは

私は陽性患者の濃厚接触者でしたが、保健所からPCR検査を拒否されました。どうしてあなたが検査を受けられるのか」

全国では発熱が続いても受けられない人が山ほどいる

などと批判が噴出。一方で、「今、日本のコロナ対策をリードする方。担当相が検査するのは当たり前」などと西村氏を擁護する投稿もあった。

批判の高まりを受け、西村氏は28日にもTwitterに投稿。「検査は、立場上、総理をはじめ閣僚、国会議員と近い距離で接する機会が多く『危機管理』の観点から、医師と相談し自費で受けました」と釈明した。

新型コロナウイルス感染症の患者数が 大幅に増えたときの相談・受診の考え方(厚生労働省ウェブサイトより)
新型コロナウイルス感染症の患者数が 大幅に増えたときの相談・受診の考え方(厚生労働省ウェブサイトより)

政府の専門家会議は、相談の目安として

・持病があるなど重症化リスクの高い人や妊婦は「肺炎が疑われるような強いだるさ、息苦しさ、高熱等がある時、場合によってはすぐにでも相談」

・一般の人は「風邪症状や37.5度以上の発熱が4日以上継続」といった症状

を挙げ、該当する場合は地域の診療所などに相談するよう呼びかけている。医師が新型コロナの感染を疑う場合、各自治体と相談の上でPCR検査をする流れとなっている。

朝日新聞デジタルによると、東京都では、発熱などの症状が出た50代男性が、電話相談センターに電話がつながらず、PCR検査の結果を待つ間に死亡した事例も発生している。

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